師走に近づき、慌ただしさに並行して、「うちの家族は、どうして○○してくれないのだろう!」と思う回数も機会も増えているのでは? 「そのイライラを、平和的に解決する方法があります」。そう語るのは、思考と空間の整理のプロ、ライフオーガナイザーの森麻紀さん。森さんに話を伺いました。

平和的解決をするには、ヒトではなく、モノ・コトにフォーカスすること

これからお話するのはわが家の話ですが…、きっと皆さんのお宅にも共通する内容だと思います。

夫へのクレーム1:靴をゲタ箱にしまってくれない!

平日はスーツ通勤の夫。朝も夜もほぼ毎日運動をするので、スーツ用の靴と運動靴が出しっぱなしの状態です。朝早く夜遅いので、出しっぱなしでもそれを見る機会があまりないので気にならないのですが、週末はそこに普段着用の靴も入り、夫ひとりだけで3足が出しっぱなしの状態に…。
靴を乾燥させる意味もあるので、多少の出しっぱなしはOKとはいうものの、注意しないとゲタ箱に入れてくれない。悪気はないものの、ついつい忘れてしまうようです。

標語作戦
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そこで考えたのが”標語作戦”。
「1足だしたら1足しまおう」。シンプルに語呂よく! 見えるところにはるのは見た目が好ましくないので、ゲタ箱の扉を開くと見える場所にラベリングしています。見ようとしなくても目に入る場所、というのがポイント。ゲタ箱の左端1列が夫のスペースなので、そこにはっています。
じつはこれ、夫にはなにも告げずにはったのですが、効果テキメン。休日も1足だけしか出ていない状態になりました。
後日談ですが、継続したのは2週間くらいで、その後、何度か複数の靴が出しっぱなしになっているのを目にしたときは、「5人家族になってる!」(わが家は3人)と夫に言うと、しまってくれます(笑)。これを何度か繰り返して半年以上経った現在は、常時1足だけになりました!

夫へのクレーム2:トイレの換気扇を回してくれない!

夫がトイレに入ったあと、すごく臭うときがあります。まあ、夫に限らず誰にでもありえることなんですが…。トイレの換気扇に関しては、言ってもつけてくれない(もしくは忘れる)ことは妻としてよくわかっているので、これまで彼には注意したことがありません。ただ、「なんで換気扇をつけてくれないんだろう?」と、ひそかに憤りを感じていました。
休日の日中、彼がトイレに入ったら(勝手に)つけることで回避していましたが、夜中のトイレに起きたときなどは、予期せぬにおいに嫌な思いをすることも…。もはや、気づいたときに私が換気扇をつけるのでは遅く、私の不快感は消せないことに!!
それだったら…彼がトイレに入る前から換気扇が回っている状態をつくればいいのでは!?ということに気がつきました。トイレの換気扇をつけっぱなしにする、ということです。

つけっぱなし

トイレの換気扇の電気代は、1ヶ月で数十円。それよりも自分の不快感を取り除き、と同時に相手に対する不満も取り除く方が大事だと私は判断しました。常時つけることにしたおかげでトイレの空気も新鮮に感じます。というのは大げさでしょうか(笑)。

夫へのクレーム3:トイレットペーパーを交換してくれない!

小学校2年生の娘は、幼稚園の頃からトイレットペーパーがなくなったら交換してくれますが、夫だけがトイレットペーパーの交換をしてくれません。何度かお願いしましたが、昔から「次の人のために交換する」ということをしてこなかったので、思い出せないようです。自分が逆の立場になったときでもなにも思わない(気にしない)人なので、「相手の立場になって!」という言葉は通用しません。そんな人だからこそ、私にはなにも言わない、というありがい点でもあるので、強く伝えるのは気が引ける…。

そこで、私が考えた解決策はこちら。
トイレットペーパーがあと2~3回くらいでなくなるくらいの量になったら、私が交換してしまう、という方法。そして、残り少ないトイレットペーパーを私が使い続けるのです。そうすれば、トイレットペーパーを使いたいときに、「ない!」という状態にはなりません。

トイレットペーパー

中途半端なトイレットペーパーはすぐ取れる真横に置いておけば、ムダにしてしまうこともありません。たとえ、トイレットペーパーを替えるタイミングが遅く、トイレットペーパーがない状態に遭遇したとしても、「しまった! 自分の替えるタイミングが遅かった!」と自分の失敗として認められた方が、相手を責めるよりも、ずっと気持ちはラクだと思います。

現状に不満があるということは、理想の状態があるということ。その理想の状態に近づくために、自分にできることはないかと探すことで相手を変えずとも、解決策が見つかることもあります。