「セックスレス」という言葉を聞くようになってずいぶんたちました。“ある一定の期間、パートナーとの性交渉がない状態”を指しますが、その実情はさまざま。他人と気軽に話せる話題ではないだけに、人知れず悩みを抱えている女性も多いようです。
実際、「夫婦愛に関する調査」(2016年・アンファー調べ)によると、じつに30代で47.0%、40代で59.0%、50代では71.3%がセックスレス夫婦。年代が上がるにつれその割合が高くなっていることがわかります。
そこで、ESSEonlineではアンケート調査を実施。173人もの方々にご協力いただき、ESSE世代の事情を探ってみました。今回はとくに、「夫が原因」という事態に注目!
セックスレス事例1・弓子さん(仮名・30代前半)の場合:「夫を誘ったこともありましたが、今は心が折れました」
「このまま生涯を終えるのかと、考えてしまうこともしばしばあります」と、まさに今悩んでいる弓子さん。
弓子さんは、小学生と幼稚園児の2人の子どもをもつ、30代前半の女性。結婚12年目を迎える夫とは、気がついたら行為がなくなっていました。「どんどん回数が減り、私から誘っても気まずい顔をされて…。なんだかんだ理由をつけて、断られ続けました」と告白してくれました。
じつは、幼稚園児の二女を授かるために、EDの薬に頼ったそう。
(※写真はイメージです)
そんな弓子さんの夫ですが、第1子の出産前までは夫が淡白だとか、行為を嫌っているというような印象はなかったと言います。しかし、子育てに追われるなか、「あれっ、私たちってレス?」と、じわじわと焦り始めたのだそう。
もう女性ではなく母親としてしか見られないのだろうか…と自問自答する日々を送りました。
「家でもジャージじゃなくて、おしゃれをしたらいいのにと、夫から言われましたが、実際育児に追われてそれどころではなくて。それに、“そっちからスキンシップをしてきたら?”とも提案されましたが、私から夫に近づくと、あからさまにいやな顔をされたりもしました」
弓子さんなりに努力して、寂しいと素直に伝えたものの、応じてもらえないことが積み重なり、自然と弓子さんからも誘わず、もちろん夫からも誘われることもなくなって今に至ります。
弓子さんにとっては、はっきりとした原因はわからず、だからこそ解消することもできず、宙ぶらりんの状態が続いていると言えます。
「浮気を考えたことは?」という問いには、「レスになってから、よその男性に走る女性の気持ちも、正直理解できます。私も夫に女性として見られていないかもしれないという不安を感じている今、もし男性に誘われたら、うれしくて流されてしまうかもと思わないでもありません。でも、子どものことを考えたら、裏切るマネはできません」と即答。
「ただ一方で、自分もとうに夫を男性として見られないけど、でも、もし今夫から誘われたら…たぶん応じると思います」という弓子さんの言葉が印象的でした。
セックスレス事例2・さゆりさん(仮名・40代後半)の場合:「もともと性欲が弱い夫が、仕事のストレスからレスに」
「もしできるなら、子どもを連れて自分の力で生きていきたい」と、気持ちを吐露してくれたさゆりさん。
アラフィフのさゆりさんは、同年代の夫と小学生の子どもと3人家族。結婚前から夫は、「意欲的ではなかった」のだそう。
「自分もそれほど積極的ではありませんでしたが、子どもをつくろうとなったとき、事態の深刻さを実感しました。いざ行為となっても、彼の機能が働かなかったのです。正直、泣きました」というさゆりさん。
(※写真はイメージです)
さゆりさん自身も、結婚後間もない時期に夫の家族からの心ない言葉に傷つき、性的な欲求が薄くなっていったといいます。「田舎のせいか、『子どもはまだ?』攻撃がすごくて。そもそも夫ができないのに、私ばかりを責められても…という気持ちが募りました」。
なんとか子どもを授かったものの、そのとき受けた心の傷はふさがっていません。