暑さが本格的になる前の今こそ、ものを手放して身軽になるいい機会です。「もっていて当たり前」と思っているものが、じつは家事の手間を増やしていたり、不要だったり…そんなことに気づけるかもしれません。
たくさんもつよりも、気に入ったものだけを最小限にもつことで心豊かに暮らしている読者のお宅を取材しました。
お気に入りだけに囲まれた、心地いい暮らしを実現するためには?
今回ESSEが取材したのは、布小物作家として活動しているSさんのお宅。白を基調としたすっきりとした空間に、木や布などの素材が程よくぬくもりを与えており、すてきな雰囲気です。
本当に必要なものだけを厳選して買ったり、限られたアイテムを多目的に使ったり。ときには手づくりすることによって、Sさんは少ないものでも豊かな暮らしを実現しています。
ものに空間を圧迫されないよう、厳選する
空間をもので埋めて満足感を得るのではなく、本当に気に入った少しのものだけを身近に置くのがSさん流です。
●テーブルは不要。代わりに、お膳を導入することに
居間にはテーブルが必要と思い込みがちですが、自分の暮らしを冷静に見つめた結果、不要という判断に。
「床座で過ごすことが多いため、テーブルは思いきって置くのをやめました。結果、空間を広々と使えて正解でした」。
お茶を飲むときは、骨董市で見つけたお気に入りのお膳をテーブル代わりに使っています。お膳はソファ横に立ててスタンバイ。
●写真はたくさんもたず、厳選して1冊に
1年間に撮った写真は、気に入ったものだけを厳選してわが家のプリンターで出力し、1冊のフォトブックにしています。
「どれも大好きなショットばかり。心にも残ります」
ひとつのアイテムを、多用途に使う
ものをその本来の用途だけに使うのではなく、ほかのことにも応用。あれこれ買う必要がなくなり、ものの数をセーブできます。
●収納も兼ねられるオットマンをつくって、散らかりを阻止
くつろげる手づくりのオットマンは、中にものが入れられる優れもの。家族の趣味である切手アルバムやトランプなど、リビングで使うものを収納しています。キャスターつきで掃除のときも便利です。
●キッチン用品のお古をアウトドア用に。使いきってから処分
キャンプやバーベキューで使う調理道具は、古くなったキッチン用品を活用。わざわざ買いそろえず、あるものですませています。
「見た目に多少難があっても、十分に使えますよ。ものを最後まで使いきる気持ちよさは、日々の暮らしを豊かにしてくれるんです」