家計や日々の献立などをノートに記録、管理して、家事を効率化するノート術が人気です。インスタグラムやブログなどネットを中心に盛り上がり、今では、雑誌で取り上げられたり、関連書籍も多く発売されたりと、一大ブームに!
デジタル全盛の今、あえてノートに手書きで記録するメリットはどこにあるのでしょう?発売から1か月半ながら、主婦の支持を集めて版を重ねている『
』(扶桑社刊)の著者、整理収納アドバイザーの三條凛花さんにそのメリットと、具体的なやり方を聞いてみました!
すべての画像を見る(全4枚)家事ノートで「主婦失格」だった自分が変わった!
夫と11か月の娘、2匹の猫と暮らす三條さんは、「ESSEonline」にも家事にまつわるコラムを連載するなど、日々、家事を効率よく回すためのアイデアを提案しています。
そんな三條さんも、じつは、結婚当初には「主婦失格」と思い詰めたこともあったのだそう。
「新婚当初の私は、自分への嫌悪感でいっぱいでした。夫は激務で、毎日終電で帰宅し、夕食を食べるのは深夜1時頃。一方、私は、働いていたとはいえ、週に数回のバイト生活。時間はあったはずなのに、廊下は段ボールやゴミ袋が積み重なって足の踏み場もなく、洗濯物もたたまずに放置。夫の夕食はいつもカップラーメンや冷凍チャーハンというひどい状態でした。いつも、なんとかしなくてはと思ってはいても、まずなにから始めるかわからず、途方に暮れるばかりだったんです」
自己嫌悪が募り、夫ともギクシャクする日々が続きます。ある日、学生時代の友人とのなにげない会話で、ひとつのアイデアが浮かんだのだそう。
「友人に、家事がまったくできていないとこぼしたら、『あなたには家事が得意なイメージしかない』と、言われたのです。たしかに、彼女と出会った大学生のときには、ひとり暮らしでしたが、部屋も片づき、毎日自炊もできていました。学生時代と新婚当時と、決定的に違っていたのはノートの存在でした」
家事で迷ったり考えたりする時間がなくなるノート術
大学3年生で就職活動を始めるまでは、日々の予定や、テレビやネットで見た家事のやり方やレシピのメモなど、暮らしまわりのことを、細かにノートに記録していたのです。
「友人の言葉でそれを思い出し、ふたたびノートを購入して家事の記録をつけ始めるようになったのです」
家事ノートの内容は大きく分けると、家事の総量を把握して優先順位をつける「スケジュール」と収納マップや定番品リストなどの「ログ」の2つ。
たとえば、スケジュールはこんな風につくっているそうです。
スケジュールは、1か月の家事を、カレンダー形式にして見開きでまとめた計画表のこと。ここを見るだけで1か月分の家事がひと目でわかるようになっています。
家事の項目は、おもに以下のようにまとめています。
・週ごとの家事
月曜日は「ツキを呼ぶ家事」としてたたきや靴箱の整理、火曜日は「火回りの掃除」など、曜日ごとに家事の内容を決める
・月ごとの家事
洗濯槽の掃除や消耗品の交換など、忘れがちな家事は、月に1回同じ日に行う
・天気家事
カーテンなどの大物の洗濯や網戸や窓の掃除など天気に左右される家事は、ベストな天気になったらこなせるように特定の期間内に書き留めておく
「スケジュール」には、そのほかに月ごとに注力したい家事のテーマや、月の満ち欠けなど、家事のやる気を出すテンションアップの仕掛けも。
日々の予定を「スケジュール」にまとめることで、迷ったり考えたりする時間をカットして家事がスムーズにはかどるように。また、家事の知恵や暮らしの記録を「ログ」に集約することで、困ったときに探したり、調べたりする手間をはぶくことができたのだとか。
ムリせずに、暮らしを効率よく回すために人気のノート術。家事ができない!と悩む前に、まずはノートで暮らしを「見える化」することが有効かもしれませんよ。
●教えてくれた人
【三條凛花さん】
ライター、整理収納アドバイザー。夫、子どもの3人+2猫暮らし。家事をムリせず楽しく続ける工夫を発信。2017年3月に初の著書『
時間が貯まる 魔法の家事ノート』を出版。ブログ
「365日のとっておき家事」