住宅事情によりキッチンがコンパクトなお宅は、いろいろ悩みが尽きないもの。「ワークトップが狭くて調理中の鍋やフライパンが置けない」「洗い物が増えるとシンクからあふれてしまう」…。こうした問題、じつは作業工程を見直したり、発想転換すれば、解決できることも多いのです。
料理研究家の近藤幸子さんのキッチンも、広さは4畳半ほど。本当に頼れる道具のみに厳選して数を絞り、厳しい目で選んだ鍋やボウルを賢く使い回すことで、洗い物を最小限に。コンパクトな台所でも家事をスムーズに回しています。「洗い物が減ると、あと片づけも負担がグッと減りますよ」。そんな近藤さんが実践する、洗い物を少なくするためのアイデアを紹介します。
料理研究家が実践する、洗い物を少なくするためのアイデア!
●キッチンバサミを活用して食材を直接投入
すべての画像を見る(全3枚)「肉や野菜は、フライパンや鍋の上でキッチンバサミを使って切っています」と近藤さん。直接投入するので、まな板を使う必要がなく、忙しいときにはとくに便利です。
●セイロで調理し、そのまま食卓へ
セイロは“調理も兼ねる大皿”と考え、日頃からフル活用しています。「クッキングシートを敷くとセイロ自体があまり汚れず、フライパンや蒸し器を使うより洗う手間がかかりません。そのまま器代わりに、食卓に出しています」。できあがった料理のごちそう感もアップする効果が。
●フライパンや鍋はひとつをできるだけ使い回す
メインの肉や魚とつけ合わせの野菜は、ひとつのフライパンだけを使って、時間差を賢く利用して調理してしまいます。「薄味の副菜を先に炒め、しっかり味つけする肉をあとに。この順番で調理すれば、何度もフライパンを洗う手間がありません」。また、手持ちのフライパンの数を減らせるメリットもあります。
●残ったおかずを保存容器に移し替えない
「移し替えは手間がかかるし、洗い物を増やすだけ」との考えから、残り物は鍋ごと、器ごと保存することを習慣にしています。器はそのまま電子レンジ加熱できるように、耐熱性のものを選んでいます。
●バットやボウルを使わない工夫を
下味をつけるときは、バットやボウルをわざわざ使うことはしません。「買ったときのトレーやオーブンの天板で十分。これも家事を省く工夫のひとつ。洗い物を減らすことができます」。使い終わったトレーは捨てるだけなので手間いらず。