スペイン料理でおなじみの「パエリア」は、じつはスペイン東部バレンシア地方が発祥地。白豆やインゲンマメ、鶏肉、ウサギ肉、カタツムリが入っているのが、バレンシア風パエリアです。良質の米を栽培しているバレンシアでは、今もひと昔前の日本のような田園風景が広がっています。

スペインの米どころ、バレンシアにはおいしい米料理がたくさん!

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(写真:ウサギ肉やインゲン豆などが入ったバレンシア風パエリア)

 炭火で炊き上げる「パエリア」は、調理に時間がかかるので家族や友達が集まる週末によくつくります。一方、材料を炒めてオーブンで焼くだけの「アロス・アル・オルノ」という料理は、忙しい週末でもパッとつくれる家庭料理。

 スペインが誇る米どころ・バレンシアには、パエリア以外にもたくさんのお米料理があり、米を使った代表的な郷土料理が、お米(アロス)をオーブン(ホルノ)で炊く「アロス・アル・オルノ(Arroz al Horno)」です。材料を炒めてオーブンに入れれば、ほったらかしにできるのも、忙しい主婦にはうれしいところ。ニンニクやトマトを潰しながらお米と混ぜて食べると、とってもおいしいんです。今日はそのつくり方をご紹介します!

できあがり!ブイヨンがすべてお米に吸われたら完成です

バレンシアの郷土料理「アロス・アル・オルノ」をつくろう!

材料とつくり方(4人分)

1)フライパンにモルシージャ(豚の血が入った黒色をした腸詰め)や豚リブ各適量を入れ、フライパンで炒める。モルシージャが手に入らない場合は、分厚いベーコンなどで代用できます。

2)1に厚切りに切ったジャガイモ2個を加えて炒め、さらに米(洗っていないもの)400gを加えて炒める。

3)スペインの土鍋「カスエラ」に1、2、太めの輪切りしたトマト大1個、丸ごとニンニク1個を並べ、ブイヨンスープ約800ml(※注釈)を入れ、230℃に温めておいたオーブンに入れる。「カスエラ」がない場合はオーブン用の耐熱容器で代用できます。

4)加熱時間は15~20分を目安に。水分が飛べばでき上がり!

できあがり!ブイヨンがすべてお米に吸われたら完成です

 ヒヨコ豆や肉団子を加えたり、ブイヨンスープにサフランを入れて色づけするなどレシピは地域や家庭によって多少異なります。これから寒くなる季節にとくにおすすめの「アロス・アル・オルノ」。気軽につくれるスペインの家庭料理をぜひ試してみてください。

※注釈 バレンシアでは「米は1人100g、水加減は米の2倍」がレシピの基本ですが、硬水のバレンシアではお米を炊く際の水分量が上記レシピのように多めです。使用するお米を普通に炊いたときの水加減と同じ分量で調理してください。

【ボッティング大田朋子さん】

同志社大学商学部卒。ドイツ、インド、メキシコ、アルゼンチンで外資勤務、起業の後、2011年からスペイン在住。執筆参加著書に『

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』(朝日新書刊)、『

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』(サンクチュアリ出版刊)、「

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』(東邦出版刊)でコラム連載中。英国人パートナーと多言語を話す息子、娘の4人暮らし。ブログ「世界が拠点な生き方&子育て」

https://tomokoota.wordpress.com