妊活を始めると、検査代にはじまり、長期化すればするほど、なにかと出費はかさんでしまうもの。さらに、不妊治療中の思わぬ病気での入院や手術は、せっかく不妊治療にあてるために用意したお金を減らしてしまうこともあります。そこで、医療保険をうまく生かす方法をファイナンシャルプランナーの松山翠里さんに教えてもらいました。
医療保険が活躍するのってどんなシチュエーション?
すべての画像を見る(全2枚)不妊治療中の思わぬ病気での入院や手術を例にあげると…
●不妊検査で子宮筋腫が見つかり、入院・手術費用がかかった
●不妊治療中に子宮外妊娠に。入院・手術費用がかかった
●切迫早産・妊娠中毒症(おもいつわり)・帝王切開などでの入院期間が長引いた
…などなど。
これらのケースのほとんどは、保険診療で高額療養費制度などを使って、治療費を少なくすることが可能です。ただし、病院から個室や2人部屋入院を勧められることも多く、差額ベッド代の支払いがきつかったという話も(差額ベッド代は全額自己負担)。厚生労働省の調べによると、その差額は平均して1日6000円程度(平成26年7月調べ)。高額療養費の自己負担や入院中の食事代を加えると、1日1万円以上の入院費用がかかることも少なくないのが現状です。
医療保険でそれらの費用をカバーできれば、貯金を減らさずにすみ、今後の不妊治療や、出産後の子どものためにも使えるのではないでしょうか?
実際に私の友人は、切迫早産による絶対安静で2か月間入院したのですが、そのときに1日1万円の入院給付金が出る医療保険に2つ入っていたので、120万円の給付を受けたそうです。プラスが出たと喜んでいました。
べビ待ち中の方は、医療保険の見直しを早めに!
妊活に入る前にやってほしいのは、医療保険の見直しです。なぜなら、不妊治療を始めたり、妊娠したりした後では新しい保険には入りづらくなってしまうことがあるからです。
妊娠や不妊治療は病気ではないと考えている方は少なくありません。しかし、医療保険に入る場合、そのことで部位不担保(一定期間、特定の臓器にまつわる病気を保障対象から外す)になったり、保険に入りづらくなったりすることもあるのです。不妊検査を何度も行っているというだけで、子宮に関する入院・手術保障が5年間受けられなくなったケースも。不妊治療を検討しているのなら、不妊検査に行く前に、保険の見直しを早めにやっておきましょう。
私も30代の主婦で、べビ待ち中のひとりです。医療保険の活用で、べビ待ち中の皆さまのお金のストレスや不安な気持ちが少しでも軽くなれば、うれしいです。