全国各地で自然災害による被害が増えています。いつ、身近で起こるかわからない地震や風水害に備え、「なにをすべきか?」を学べるのが、防災体験館です。全国に点在する防災体験館はほとんどが無料の施設。夏休みを利用して、自然災害に備える知識や準備を親子で考える絶好のチャンスです。今回は一例として、大阪府にある大阪市立阿倍野防災センターをご紹介します。

火災を体験する

●火災の発生防止 地震発生後のキッチンで火の元を確認

地震発生後のキッチンで火の元を確認
すべての画像を見る(全12枚)

 地震で倒れた冷蔵庫や壊れた食器などを再現した、マンションタイプと一戸建てタイプの2つのキッチンを用意。ガスの元栓やブレーカーなど、全12か所に点灯する赤いランプをひとつひとつ消していくことで、地震直後の行動が学べます。

地震発生後のキッチンで火の元を確認

 実際にガスの元栓を閉める体験も。なにをするべきか、頭と体で覚えることができます。

地震発生後のキッチンで火の元を確認

 急に暗くなり、パニックを起こさないよう、電源ブレーカーは最後に落とすのが火災発生防止の鉄則。

●火災による煙発生!真っ白な廊下を安全に避難【煙中避難】

真っ白な廊下を安全に避難【煙中避難】
 煙に含まれる一酸化炭素を吸わないためにも、ハンカチなどで鼻と口を押さえるのが基本

 煙は空気より軽いため、天井へと上昇したあとに拡散。この煙を再現した建物内から、体勢を低くしながらの脱出を体験します。火のまわりや、煙の拡散を防ぐためにも、避難中にドアをあけたら、素早く閉めることが大切です。

救出・通報を体験してみる!

●公衆電話で【199番通報】の仕方をマスター

 電話の機種により少しずつ操作が異なる119番通報。たとえば、緑色の公衆電話なら下の赤いボタンを強く押してから「119」をプッシュ。その後、音声で流れる質問にひとつひとつ落ち着いて、はっきり答えていきます。消防車や救急車の出動のためにも、冷静な対応が大切です。

●ジャッキ救助【家具の下敷きになった人を救出】

ジャッキ救助【家具の下敷きになった人を救出】

 倒れた家具の下敷きになっている人には、まず声をかけて意識を確認。その後、クルマの中に常備しているジャッキなどを使い家具を持ち上げ、救助する一連の流れを指導員の指示に従って体験します。

ジャッキ救助【家具の下敷きになった人を救出】

 救出は2人ひと組で。肩をたたきながら声をかけ、安心させることが大切。