そんなに食べていないのに、体重が減らない…。ダイエット中にありがちなこうした事態は、いったいなぜ起きるのでしょう?原因と悩みを解消するための方法を管理栄養士の亰須薫(きょうすかおる)さんに聞きました。
すべての画像を見る(全2枚)食べない=やせる、というわけではない
食事の内容を確認すると、朝は飲み物だけ、昼食はおにぎりとサラダ、夕食はおかずだけ…と、食事からとっているエネルギーは少ない。なのに、体重が減らない。なぜ?と思うこと、ありませんか。
意外かもしれませんが、余分な脂肪を減らしてすっきりした体を手にするには、きちんと食べることが大切なのです。
食事でとるエネルギーが少なすぎる状態が続くと、体は“省エネ”タイプになってしまい、消費エネルギー量が下がっていきます。また、余分な脂肪をエネルギーに変えるためのビタミン、ミネラルなどの”代謝”に必要な栄養素がたりない可能性もあります。こんな状態では体重は減りませんし、冷え性や疲れやすいなど、体の不調を引き起こすことにもなりかねません。
そこでおすすめなのが、食べているものの振り返り。まず、昨日食べたものを振り返ってみましょう。振り返りポイントは食事ごとに次の3つの要素が偏りなく、そろっていること。脂肪を代謝し減らすため、筋肉や骨を維持するための、食事の基本です。
●主食:ご飯やパン、めん類など炭水化物を多く含むもの
●主菜:肉や魚、卵、乳製品、大豆製品など、タンパク質を多く含むもの
●副菜:野菜、キノコ、海藻などビタミンやミネラルを多く含むもの
【例】
・マグロ丼を食べた場合
ご飯→主食、マグロ→主菜、で2つ
・山菜そばを食べた場合
そば→主食、山菜→副菜、で2つ
※マグロ丼には副菜が必要で、山菜そばには主菜が必要ということになる
さらに、主食、主菜、副菜に分ける場合、次のことに気をつけてみてください。
・ソーセージやベーコンは脂質が多くタンパク質が少ないので主菜のグループには入らない
・ジャガイモやサツマイモなどのイモ類、カボチャ、インゲン、ヒヨコ豆などの大豆以外の豆類、果物は炭水化物が多いので、野菜のグループに入らない。主食のグループとなる
・市販の野菜ジュースも同様に炭水化物の多い商品が多いので主食のグループへ。自家製の野菜ジュースやスムージーなら副菜のグループへ
肉や魚などの主菜がなかったり、野菜と思って食べているのが主食のグループの食べ物に偏っていたり、といったことを確認してみてくださいね。
毎日の食事から、3、4日選んで振り返ってみましょう。3つの要素がそろっていることを目標にがんばって。きちんと食べれるようになったら、すっきりボディはもう目の前です!
*写真はすべてイメージです
【亰須 薫さん】
管理栄養士。フィットネスクラブにて勤務したのち、現在はメタボ予防・改善プログラム(特定保健指導)に携わり、自治体や企業での健康教室講師などで活動中