短時間に体の不調を改善してくれる「人体力学」ストレッチ。人体のメカニズムに基づく整体で腰痛、頭痛、肩こり、生理痛など、悩み別にピンポイントに効くという驚異のメソッドです。今回は更年期障害に効く体操を紹介しましょう。

更年期障害に効く体操!こわばった腰椎をゆるめる

こわばった腰椎をゆるめる
更年期障害のメカニズム
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 だるさや発汗、肩こり…ホルモンのバランスが崩れることで、心身にさまざまな症状を引き起こす更年期障害。症状の起点は、肋骨が下がることで周辺の筋肉が疲労し、前屈した姿勢が固定してしまうこと。そのため背中の筋肉が硬直し、生殖器に関連の深い腰椎に波及することで、ホルモンの分泌量に変化が生じます。

 また、前屈姿勢ではホルモンを分泌する甲状腺にも負担がかかるため、生殖器とダブルの機能低下を起こし、ホルモンバランスが崩れてしまいます。更年期障害の解消には、呼吸器や生殖器に関係の深い腰椎を刺激し、ゆるめていきます。ゆったりと神経を刺激する動きをマスターしてください。

1.背筋を伸ばして正座する。腰にアーチをつくってキープ

背筋を伸ばして正座する
腰にアーチをつくってキープ

2.背筋を伸ばしたまま、片手で背筋の伸びを確認しながら、少しずつ四つんばいになっていく

少しずつ四つんばいになっていく
骨盤の上(ベルトライン)を意識し、背中を丸めずに1分かけてゆっくりと動く

3.背筋の伸びを確認している方の手も下ろして四つんばいになったら、腰を固定したまま首の方向へ、上体を引っぱるイメージで伸ばす

上体を引っぱるイメージで伸ばす
背骨の間隔をあけるイメージで

4.今度は首と肩を固定してお尻の方向に引っぱるイメージで伸ばす【10秒刺激ポイント!】

お尻の方向に引っぱるイメージで伸ばす
【10秒刺激ポイント!】

5.3と4を数回繰り返したら、ゆっくりと正座の姿勢に戻り力を抜く

●体操ができている目安
下腹部まで大きな呼吸が入り、腰に安定感を感じられればOK

(※体操をする際の注意
過度の疲れや病気、ケガ、皮膚の傷や湿疹などがある場合、痛みのある場合は無理をしないよう、また発熱時、妊娠中などもお控えください。症状に改善がない場合は専門医への相談をおすすめします)

【井本邦昭さん】

医学博士。人体力学・井本整体主宰。5歳から整体の手ほどきを受け、スイス・ドイツで西洋医学も修める日本における整体の権威。おもな著書に『

弱った体がよみがえる 人体力学

』(高橋書店刊)ほか多数