梅雨入りを迎えているこの時期、なんだか気持ちよく眠れていない、という人はいませんか?ジメジメとした湿気による不快感、じつは睡眠の妨げになっていることも。そこで、眠りのプロである東京西川のスリープマスター・速水美智子さんに、睡眠時の湿気対策について伺いました。

湿気がたまりやすい敷き寝具のケア

梅雨どきにぐっすり眠るための湿気対策
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 私たちはひと晩のあいだに、コップ約一杯分の汗をかきます。その汗が寝具に残ると熱が逃げやすく体温が低下し、寝冷えの原因になります。また、そのまま放置していると衛生的にもよくありません。とくに、敷き寝具は湿気がたまりやすいので気をつけましょう。こまめに立てかけたり、下にものを挟んで裏面にも風が通るようにし、たまった湿気を逃がしてください。

 また、市販のパッドシーツを使うこともおすすめします。汗をしっかり吸い、通気性に優れたパッドシーツは湿気対策にばっちり。汗が染み込んでも手軽に取り外して洗濯できるので衛生的です。最近は商品のバリエーションも豊富で、冷感効果があるものも。

●マットレスの上に敷き布団を重ねるのはNG!

 ベッドのマットレスの上に敷き布団を重ねているという人がいますが、これはNG。厚みのある寝具を2枚重ねてしまうと湿気や水分を発散できず、湿気がこもってしまいます。カビの原因にもなることも。

パジャマ選びの工夫で、就寝時の不快感を解消

パジャマ選びの工夫で、就寝時の不快感を解消

 気温や湿度の上昇による就寝時の不快感は、パジャマ選びでも解消できます。まず、暑いからといって、キャミソールや短パンなどをパジャマ代わりにし、肌を出して寝るのはNG。肌が出ていると汗が吸収されず皮膚に残るので、寝冷えの原因になってしまいます。さらに、汗や皮膚が直接寝具につくので、寝具のお手入れも大変に。夏場でも袖がついたタイプで、湿気を逃しやすいゆったりとしたデザインのパジャマがよいでしょう。

●素材にも注目

 素材は、綿ガーゼや麻、シルクなどがおすすめです。綿素材は、吸湿性が高く汗をかいてもすばやく吸収してくれる優れもの。麻素材は、独特のシャリッとした肌触りから涼感を感じることができます。シルク素材は放湿性に優れ、朝までサラッとした肌触りが続くのが特長。お肌にも優しい成分が含まれているので寝ている間のスキンケアも期待できますよ。

●昼間と同じ下着をつけると、睡眠の質が低下

 日中用の下着は締めつけが強く、夜眠るときにつけると身体を圧迫してしまいます。なにもつけていないと不安…という人は、寝るとき専用の下着を試してみてください。睡眠時用に開発されている下着は、さまざまな寝姿勢にも対応できるように設計されています。素材なども就寝中に適しているものが多く、気持ちよく眠りにつけますよ。

 湿気がこもりやすい寝具のケアやパジャマ選びを工夫して、ジメジメとした梅雨時もぐっすり眠ってくださいね。

【速水美智子さん】

東京西川のスリープマスター。寝具だけでなく睡眠についても幅広い知識をもち、快適な睡眠環境についてアドバイスをしている。広報としてテレビ・雑誌・新聞などの取材対応を行う