お酒好きな人に「肝臓が悪くなるからほどほどに」ってよく言いますよね。でも、アルコールをほとんど飲まない人でも要注意!じつは、お酒以外の要因で、肝機能の数値が高くなる、ということがあるんです。肝臓は自覚症状が出にくい器官なので、健康診断を怠って気づかずにいると、肝臓に脂肪がたまった状態=脂肪肝になる可能性もあるとか!
すべての画像を見る(全3枚)お酒を飲まないのに肝臓が悪くなる人がやりがちな夕食の習慣
管理栄養士の亰須薫(キョウス カオル)さんに話を聞いてみました。
「食事でとった栄養素は肝臓で処理されます。多くとりすぎた余分な糖やタンパク質といった栄養素を体に蓄えやすい脂質に変えるのも、肝臓の働きのひとつ。食べすぎが続くと肝臓は働き続け、負担がかかってしまうのです。放っておくと脂肪肝になることも。怖いのは、なかには肝炎や肝硬変になるケースがあることです」
健康な肝臓のためには、毎日の食事の習慣を見直し、肝臓の負担を軽くすることが必要です。
●食後のデザートはほどほどに
とくに夕食後の甘いものがやめられない人は気をつけて。
「糖質や脂質を多くとりがちなデザートを夕食後に食べてしまうと、夜も肝臓が休まりません。また、ご飯やパン、麺などの糖質や、脂身の多い肉やチーズなどの脂質の多い乳製品なども夕食では控えめにしましょう。ただし、肝臓の代謝を助けるビタミン、ミネラルはとりたいので、脂身の少ない肉や魚、大豆製品は1人前を目安にしっかり食べ、野菜料理は2品を目安にとりたいですね」
野菜は生野菜だけでなく、煮物や温野菜でもOK。加熱した野菜なら、かさも減って量も食べられますよ。
昼食は軽めで夜にドカ食いの習慣は改めて
1人だし、つくるのも面倒だからと、昼食がおろそかになりがちな人も注意が必要。
「食事のとり方で意外に多いのが、昼食の量が少なくて、夕食を食べすぎてしまうパターン。とくに夜遅くに食事をする人は、昼食から夕食までの時間が長いので、どうしてもドカ食いになりがちです。昼食メニューのバランスを見直し、品数を増やす、食べる量を増やすなどして昼食はしっかり食べ、夕食もあまり遅くならずに適度な空腹を感じる程度の時間にすませるのが理想的。夜の時間の食べすぎを防ぎましょう」
夕食の習慣を改めたら、翌朝の空腹感や体重を確認してみてください。いつもよりしっかりおなかがすいていたり、体が軽く感じたり、体重が減ったりしていれば、肝機能が回復している可能性があります。健康な肝臓のために、食習慣から少しずつ変えていくのがおすすめですよ。
【亰須 薫さん】
管理栄養士。フィットネスクラブにて勤務したのち、現在はメタボ予防・改善プログラム(特定保健指導)に携わり、自治体や企業での健康教室講師などで活動中