今年、ESSEは創刊40周年! それを記念して、ESSEonlineではESSEの歴代編集長にインタビューしました。
第2回目は2009年7月号~2014年7月号に編集長を務めた小林孝延さんです。
日本で最大部数を誇る生活情報誌「ESSE」の重さを感じました
小林編集長は、2003年に別の出版社でナチュラルライフを志向する女性誌「天然生活」(現在は扶桑社より刊行)を創刊した経験などから、前任の清水伸宏編集長がスカウト。
これまでまったく別の媒体で仕事をしていた人が編集長になることで、「ESSE」を時代にふさわしく、リニューアルするというのが、大きなテーマでもありました。
「表紙のデザイナーとカメラマンを代え、中のページもアートディレクターの監修のもとに統一感を意識しました。表紙には、ともさかりえさん、麻生久美子さん、松たか子さん、藤原紀香さんなど、女優さんを積極的に起用するように。渡辺満里奈さんも、初めてESSEの表紙に登場していただきました」
収納やインテリアなど、読者や暮らしの達人たちの家の中の様子を見せる特集が多かったも、このころのESSEの特徴です。
「暮らしのシーンが見えるような雑誌にしたいというのが軸にありました。人の暮らし方は住まいに現れると考えていて、実用誌であるESSEの場合、収納という切り口がいちばんなじみがあると思ったのです。そうした観点から収納&インテリアグランプリをスタートさせ、収納の実用的なアイデアを持ちながら、すてきに暮らす人たちを特集しました」
●ミニマリストが登場。こんまりさんの片づけが話題に
2009年末にはやましたひでこさんの『新・片づけ術「断捨離」』(マガジンハウス刊)が、2010年にはこんまりこと近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版刊)が刊行され、社会現象とも言えるほどの大ブームに。
2010年ごろからミニマリストという言葉が使われるようになるなど、収納や片づけが、社会的にも注目を集めた時期でした。
「こんまりさんとは本を出版する前に知り合う機会があり、ESSEでも何度も登場していただいています。収納&インテリアグランプリの審査員になっていただいたり、こんまりさんの企画は読者に大好評でした」
「収納&インテリアグランプリの審査員として長く活躍していただいたコジマジックさんの収納アイデアも、人気がありましたね」
収納&インテリアグランプリの入賞者の中には、その後プロとして活躍されている方も多く、現在数多くの著書を出版して大活躍している整理収納アドバイザーのemiさんも、第2回(2010年)の準グランプリです。
●東日本大震災で、ものに対する人々の考え方がガラリと変わりました
「編集長をしていた間のもっとも大きな出来事は、東日本大震災です。それまでの暮らしの価値観が、ガラリと変わるのを肌で感じましたね。すっきり暮らしや断捨離など、とにかくものを少なくしようという考えから、災害に備えて一定のものは持った方がいいという考えが強くなった気がします」
「防災やエコに対する意識は高まり、防災に役に立つアウトドアのアイデアなども特集。収納のアイデアの中にも、ローリングストックとして予備の食材などを多めに持つ考えやなどが見られるようになりました」