着なくなった洋服や靴で社会貢献をしませんか?
古着をゴミにせず、適切に利用することでリサイクルや発展途上国での雇用、ポリオワクチンの普及…といった「持続可能な循環」を生む方法が今、注目を集めています。
衣類の片づけが、巡り巡って人のためになるシステム「古着deワクチン」をご紹介します。

古着で社会貢献。「古着deワクチン」をAYUMIさんが体験しました

「古着deワクチン」は、不要になった衣類や服飾雑貨を送ることで、開発途上国の子どもたちにワクチンを届け、現地の雇用創出にも役立つことができるシステム。

家族4人分の衣類を定期的に処分しているというモデルのAYUMIさんに体験していただきました。

衣類を選別する様子
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「サイズアウトした娘のブラウス。本人が嫌がっていままで処分できずにいましたが、『違う国の子に着てもらえるよ』と伝えたら納得してくれて。捨てない循環を知るのは、子どもにとってもいいことだと思います」とAYUMIさん。

「寄付になる衣類処分は何度か試したことがありますが、古着deワクチンは回収キットを購入して衣類を詰めて送るだけと、簡単なのが魅力ですね。ホームページには、衣類が活用される流れや開発途上国での活動報告の詳細が記されていて、そうした透明性も安心して利用できるポイントだと思います」

なによりAYUMIさんは、「捨てる」ではなく、次の人に「回す」という循環する手放し方にとても共感したといいます。

「ほとんど着ていない服、愛着はあるけど少しくたびれてしまった服など、捨てるのをためらうようなものも、だれかのためになると思えば心おきなく手放せるんです。回収袋が大きいのでバッグも靴もたくさん詰められて、一気に片づくのも気持ちがいい。これからも利用していきたいです」

収納スペースの多くを占める衣類が手軽に整理できて、社会貢献にもなる「古着deワクチン」。新しい片づけ方のひとつとして、一度試してみませんか?

「古着deワクチン」についてもっと知ってみる

古着deワクチンの使い方をAYUMIさんと一緒に体験

これまでも寄付型の古着処分のシステムを利用したことがあるというAYUMIさん。「古着deワクチン」の使い勝手をレポートしながら、衣類の片づけにトライ。

●1:専用キットを注文する

HPから専用回収キット(税込3300円)を購入すると、数日後に回収用袋や着払い伝票が入った一式が届きます。

専用回収キット

「段ボールを用意したり、送料を振り込んだりする手間がないのがうれしいです」

●2:回収用強化袋の大きさを確認

袋は160サイズの段ボールとほぼ同容量。試作を繰り返して強度を高め、約25kg入れられる仕様に。

大きくて使いやすい袋

「この袋が大きくて使いやすい。冬物のコートなど、かさばるものもたっぷり入りますね」

●3:服や靴、バッグをまとめて詰める

説明書で回収の対象となる衣類や小物を確認して袋に詰めます。

サッカーのユニフォームや自転車のヘルメットも対象

「捨てるしかないと思っていた息子のサッカーのユニフォームや自転車のヘルメットも対象で助かりました。分別も不要でラク」

●4:収納ケースが空になってスッキリ

梱包したら佐川急便に集荷を依頼して引き渡して完了です!

あいた収納ケース

「少し前に衣類を処分したのですが、不要なものはまだまだあると実感。こうして収納ケースがあくと、やっぱり達成感が大きいですね」

衣類はどうなるの?古着deワクチンの仕組みとは

送った衣類や靴は、どこでどんなふうに生かされるのでしょうか。クローゼットから世界につながって社会貢献できる仕組みを簡単に解説します。

●開発途上国で選別作業を行い、現地の雇用創出に貢献

インドなどへ送られて女性たちの手で選別

古着は国内のセンターに集められたあと、インドなどへ送られて女性たちの手で選別されます。洋服類は1枚ずつ、男性大人用、女性大人用、暑い地域用、寒い地域用など、約170種類もの品目に分類され、この作業によって現地で雇用が生まれています。

●購入1口につき5人分のワクチン代が寄付されます

子どもを抱く女性達

専用キットの代金3300円のうち100円が「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを日本委員会」に寄付され、5人分のポリオワクチンに。2020年8月1日までに、累計262万6967人分のポリオワクチンがミャンマーやラオス、ブータンに届けられました。

●古着は開発途上国で販売。売り上げの一部はワクチン代に

選別作業で仕分けられた衣服は、アフリカやカンボジアなどで販売されます。古着が新たな持ち主の手に渡って生かされるとともに、現地のビジネス発展や雇用の促進にも一役買っています。さらに、ここでの売り上げの一部もポリオワクチン代として寄付される仕組みです。

●専用キットの封入発送作業は都内の福祉作業所に委託

回収用強化紙袋、着払い伝票、説明書、お礼状、クーポンなどの専用回収キットを封入して発送する作業は、東京都の福祉作業所「天成舎」「梅の木の家共同作業所」などが担っています。古着deワクチンの活動は、国内での障がい者の仕事にもつながっているんです。

衣替えのタイミングや、サイズアウトした子ども服の処分に困ったら、古着deワクチンのことを思い出してみて。
あなたのいらない服がだれかのためになる。そんなサービスです。

「古着deワクチン」についてもっと知ってみる

<提供/日本リユースシステム 撮影/公文美和 取材・文/熊坂麻美>

【AYUMI】

モデル。数多くの女性誌やCMで活躍。料理の腕も評判で『

ローフード・発酵・雑穀でつくるAYUMIごはん

』(主婦と生活社)など、レシピ本も出版する。ご主人、14歳の息子さん、10歳の娘さんの4人家族。