女性なら誰にも訪れる更年期。不調の感じ方は個人差があるものの、これから来る日に備えておくのは大切。
少しでも健康で快適に過ごすために、更年期について、産婦人科医の宋美玄さんに詳しく教えてもらいました。
更年期の正しい知識を身に着けて、備えよう
ESSE世代の読者にとっては気になり始めるテーマ。むやみに恐れず正しい知識を身につけて!
●更年期はだれにでも訪れる!重い不調が出るのは全体の50%
更年期とは、閉経をはさんだ約10年前後の時期のことで、だれにでも訪れるもの。
「閉経を迎えると、卵巣は女性ホルモン(エストロゲン)を出さなくなります。すると、急激な女性ホルモンの変化によって体調が変化し、さまざまな不調を感じることも。これが更年期の症状です」と産婦人科医の宋美玄さん。
「重い不調が出るのは、全体の約50%。とはいえ、正しい知識を得て対処すれば、健康で快適に過ごせますよ」
【更年期とは閉経前後10年間のこと】
50歳前後で閉経を迎える人が多く、その前後約10年間を更年期といいます。女性ホルモンが急激に減るため、不調につながることも
●知っておきたい!更年期の基本
更年期障害はどんな仕組みで起きるの?
閉経を迎えると女性ホルモンが急激に減っていき、最後にはなくなります。この急激な変化に脳がついていけず、さまざまな不調につながるのが更年期障害。目立った症状がなくても女性ホルモンの減少はだれもが迎える問題です。それまで骨や脳細胞を守り、皮下脂肪を保ち、心臓や血管の病気にかかりにくくし、感情の安定を保つなど、あらゆる面で女性の体を守ってくれていた女性ホルモンが減ることで、徐々に体の老化が訪れるのです。
女性ホルモン(エストロゲン)の変化
閉経を迎える50歳前後で、女性ホルモンは急速に減少。一方、男性の場合は男性ホルモンは緩やかに減っていくため、急激な体調の変化は訪れにくい。
更年期障害にはどんな症状があるの?
代表的な症状は急なほてりや大量の発汗があるホットフラッシュ。それ以外にも手足の冷え、動悸、イライラ、めまい、肩こり、腰痛など、さまざまな症状が。下の表は、更年期のチェックシート。点数が高ければ、更年期の症状かもしれません。20~30代で不調がある場合は、更年期ではなくホルモンバランスの乱れの可能性が大。
簡略更年期指数(SMI)チェックシート
各項目の症状の程度に〇をつけて点数を書き入れ、その合計点に基づいて自分の状態を簡易的に判断することができます。
26~50点 食事、運動、生活様式などに注意を払い、無理をしないように
51~65点 医師の診断を受け、生活改善、カウンセリング、薬物療法を受診した方がよいでしょう
66~80点 長期間(半年以上)の計画的な治療が必要
81~100点 各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要
参考:簡略更年期指数(SMI)
自分自身の体調を常に意識しながら、快適な毎日を過ごせるようになりたいですね。