リフォームには、さまざまな会社と打ち合わせが必要です。理想の住まいを手に入れるためには意思疎通が大事。でも、詳しく細やかに伝えればうまくいく、というわけではなさそうです。相手に要望を理解してもらうには、なにをすれば効果的なのか。リフォームを経験した日刊住まいライターが、「やっておいてよかった」と感じた4つのことを振り返ります。あなたの家づくりのヒントに。

造作収納の一部
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目次:

1.「自分たちはどんなふうに暮らしたいのか」をはっきりさせておく2.ざっくばらんに話すことで造作収納の使いやすさがアップ3.要望はまとめて書き出し優先順位を決めておく4.打ち合わせを録音しておくとトラブル防止にもなる

1.「自分たちはどんなふうに暮らしたいのか」をはっきりさせておく

リフォームで造作した棚

筆者と夫の共通の趣味はゲーム。リフォームの打ち合わせでは、ダイニングスペースが多少狭くなっても構わないので、ゲームを存分に楽しめるリビングにしたいとリクエストしました。また、筆者の仕事部屋はデスクに座ったままでも資料やプリンターに手が届くように設計されています。おかげで趣味を存分に楽しめて、仕事にも集中できるようになり、とても満足しています。

いま振り返ってみると、設計の打ち合わせのとき「どういう用途でこの部屋を使用しますか?」「ご家族の趣味はなんですか?」といったことについて聞かれる機会が多くありました。どういう壁紙にするか、棚の奥行きを何㎝にするか、といったディテールももちろん大切ですが、「自分たちはどんなふうに暮らしたいのか」「なにを優先させたいのか」といったことを明確にしておくと、後悔が少ないのではないかと思います。

2.ざっくばらんに話すことで造作収納の使いやすさがアップ

リフォームの希望をまとめたノート

それなりに手間とコストのかかる造作収納は「なんのために必要なのか」をしっかり考え、ふだん生活で自分たちがどのように行動しているかを把握しておく必要があります。

「服をたくさん収納したい」「調味料を使いやすく収納したい」「場所を取る調理家電をまとめて収納したい」など、そのスペースをどう活用したいのかを明確にしておくことで、ムダのない使いやすい造作収納をつくることができると思います。筆者は写真のように要望をまとめたシートを作成して共有しました。

とくに筆者が使い勝手がいいと感じているのは、玄関の階段下収納。「室内に持ち込まなくてすむように、玄関にコートなどをかけられるスペースがほしい」とリフォーム会社の設計担当に相談したところ、玄関の階段下収納に棚をつけてハンガーパイプを設置してはどうかと提案してくれました。動線的にもムダがないですし、ウイルス対策という点でも、つくってもらってよかったと実感しています。

また、設計担当の方との雑談中に「掃除機をかけるときに、家具にノズルをぶつけてしまうことが多く困っている」という話をした結果、床から浮かせる形の造作収納を提案されました。実際に暮らし始めてみると、とても掃除がしやすく、ノズルもぶつからなくなって快適です。「こうしたい」という希望を伝えるだけでなく、日常生活で困っていることやちょっとした不満などについて、担当者とざっくばらんに話をするのも大切だと思います。

3.要望はまとめて書き出し優先順位を決めておく

リフォームでやりたいことの優先順位を書いたノート

リフォームの希望はノートにまとめて書き出しておくことをおすすめします。「次の打ち合わせで伝えてみよう」と思っていても、いざとなるとすっかり忘れてしまうことが多かったので、途中からはノートに要望を書き出すようにしていました。優先順位も合わせて書き加えておけば、質問したりや要望を伝えたりするときにスムーズに話を進めることができます。

ちなみに筆者はインターネットや本などで調べて、よさそうな建材や設備も書き出していました。打ち合わせの際にプロの目線でそれが必要かどうか、筆者宅に採用できるかどうか、取りつけ費用はどれくらいかかるか、といったことについて説明してもらっていました。その説明を聞いてからじっくり検討し、採用するかどうか判断することが多かったです。

ちなみに当初はキッチンにカップボードを設置したいと考えていましたが、プロ目線で費用がかかることやスペースをとることを説明され、あきらめることにしました。

4.打ち合わせを録音しておくとトラブル防止にもなる

レコーダーと筆記用具

リフォームの打ち合わせでは、多くの専門用語が飛び交います。打ち合わせすることがたくさあるときは、わからないまま打ち合わせが終了してしまうこともありました。また、より突っ込んだ質問をするには、こちらもある程度の知識が必要です。

そこで、打ち合わせの際は録音をするようにしていました。録音しておけば、打ち合わせのときにわからなかった単語をあとから調べてじっくり検討することができます。また、打ち合わせを録音しておくことで「言った」「言わない」のトラブルも防ぐことができます。

予定していた壁紙とは違うものが発注されていたり、来るはずの業者さんが待てど暮らせど来なかったり、造作家具のサイズや設置場所が打ち合わせとは違っていたり、と工事中はいくつかのトラブルがありました。でも、録音をしておいたおかげでそれが証拠となり、トラブルを回避できました。

リフォームの際は、どうしてもデザインや最新の設備などに気をとられがちですが、じつは根本的なことを大切にするとスムーズに進む、ということを経験してみて実感しました。これからリフォームをする方の参考になれば幸いです。