この家に暮らすのは、親の介護が終わって、アーリーリタイアを機に郊外へ住み替えることにした吉田さん。「ここを終の棲家にしたい」という思いでリノベーションした住まいは、各部屋のスペースをゆったりと取ってバリアフリーに。開放感のある明るいリビングダイニングは、海外のインテリア雑誌などを参考に、自分の好きなモノが飾れる空間に仕立て上げました。さっそくリノベ後の住まいを見せてもらいましょう。
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海外のインテリアをヒントに大型の壁面収納をデザイン無垢のフローリングを塗装して、海外風のニュアンスに玄関土間の床はイタリア産の大理石で、洗練された雰囲気にトイレと洗面は同じスペースにして、ホテルライクな仕様に間取り図(リノベーション前後)海外のインテリアをヒントに大型の壁面収納をデザイン
本や食器、初期の古いマッキントッシュ…。これまでの人生で吉田さんが巡り合ってきた思い入れのあるモノたちが、モンドリアンの絵画のような独特の白い壁面収納の中に収められています。
この壁面収納は、吉田さん自身が収納するモノ一点一点をイメージしながら、自らデザイン図面を起こし、家具職人に制作を依頼したというから驚きです。飾るものに応じてひとつひとつ棚の高さや幅を決めました。
海外のリノベーション事例を参考に、インテリアのイメージをつくっていきました。
壁面収納のレイアウトは、飾りたいものを吉田さんがイメージし、グラフィック専用ソフトで描いたものをベースに設計してもらったそうです。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
本人50代
▼リノベを選んだ理由
親の介護が終わって、アーリーリタイアを機に郊外へ住み替え。妹に誘われて訪れたリノベーション会社・ブルースタジオのオープンルームで、定額制セレクトオーダー「TOKYO*STANDARD」の存在を知り、そのクオリティと自由度の高さに魅力を感じ、リノベをすることにした
▼住宅の面積やコスト
専有面積/68.21㎡ 築25年(1995年7月築) 工事費 1110万円(税・設計料込み)
無垢のフローリングを塗装して、海外風のニュアンスに
床の色はこだわった部分のひとつ。無垢のフローリングに塗装して色味を調整し、好みの色に仕上げました。
ワークスペースはPCのディスプレイがきれいに収まるように造作。
吉田さんが現役のデザイナーだった頃に一目ぼれしたという、ニューヨークのグラフィックデザイナーの作品。インスピレーションを受けた思い出の品です。
マットブラックの面材がシックなキッチン。調理のしやすさを考えて調理台がコンロより低くなっています。
随所にさりげなく海外製のパーツを取り入れています。ルーバー収納のつまみはイタリアのもの。
質感と色味が美しいリビングダイニングの扉のレバーハンドル。
玄関土間の床はイタリア産の大理石で、洗練された雰囲気に
家に入ったときに視界が開けるように玄関土間をつくり、収納棚も造作。床はイタリア産の大理石で仕上げて洗練されたイメージに。ガラスブロックの壁の向こうは寝室になっています。
デッドスペースを活用して造作された棚には、スーツケースや防災グッズ、玄関回りのものを収納。
寝室のシェルフは玄関との間仕切りの役割も。上部はガラスブロックで光が入るようにし、下部は見えないように本棚にしています。
シェルフに飾るものを替えたり、ときどき並べ替えたりするのも、楽しみのひとつです。
トイレと洗面は同じスペースにして、ホテルライクな仕様に
寝室の近くにサニタリースペースを配置して動線をコンパクトに。ホテルライクな印象の洗面台は、デンマーク製のヴィンテージの鏡のフチの色に合わせて造作しました。
空間にゆとりを持たせるために、トイレと洗面は同じスペースに。トイレットペーパーはひとつひとつ飾るように収納しています。
寝室前の書棚は、本の高さを測ってジャストサイズで造作。おもに寝室で読むための本を収納しています。
談笑する吉田さん(写真左)と妹さん。「好きなモノを飾って、いつもそれを眺められる。今までやりたかったことがかなえられた、というのが一番の喜びです」と話してくれました。
間取り図(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計/ブルースタジオ
中古購入+リノベーションのパイオニア的存在。不動産と設計のプロが組み、街探しから始まるリノベーションをワンストップでサポートする。団地リノベや街のブランディングなどの実績も豊富で幅広い。定額制セレクトオーダーの「TOKYO*STANDARD」も好評。
※情報は「リライフプラス vol.38」掲載時のものです