住宅を建てるには様々な費用がかかります。土地代や建物の本体工事費以外にかかる諸費用は、頭金とは別に自己資金で用意するのが一般的。原則として、現金で支払います。思わぬ予算オ-バ-に泣かないためにも、しっかりシミレーションし、計画的に準備していきましょう!以下に、諸経費の内訳と相場について解説します。住宅の種類によっても「発生するもの」「発生しないもの」があるので確認を。

マイホームの諸経費
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目次:

土地にかかわる諸経費建物にかかわる諸経費その他のお金

土地にかかわる諸経費

地盤調査費

▶5万円~
建築予定の土地が、建物をしっかり支えられる地盤かどうかを検討するための調査。建物の構造を決めるうえでも重要な調査となる。設計・施工を依頼する住宅会社や建築家に依頼するとスム-ズ。調査の結果、軟弱地盤だと分かると地盤改良工事が必要となる。

家屋調査費

▶10万円程度
古い家の解体工事などを行う際、近隣に影響を与える可能性があるとき、あらかじめ現況調査を行うための費用。例えば、工事が始まったあと、近隣から「コンクリ-トの壁にヒビがはいった」などクレ-ムが来た際、それが解体工事の影響か否かを証明するためのもの。

敷地調査費

▶5万~10万円
正確な敷地測量図がない場合、設計前に敷地調査が必要となる。敷地調査では土地の測量を行い、土地の大きさや隣地や道路との高低差、隣地との境界や道路との接道状況を調べる。さらに、その土地に建てられる建物の規制の有無などの調査も行う。

水道負担金

▶3万~40万円
戸建てを購入する際、新しく上下水道を設置するときにかかる費用。「水道施設負担金」「水道分担金」とも呼ばれる。敷地内に水道を引き込むための工事代とは別もので、この費用が必要かどうかは土地や自治体によって異なる(金額も自治体によって異なる)。

地盤改良費

▶土地の状態によって異なる
地盤調査の結果、改良が必要となった場合にかかる費用。弱い地盤の土にセメントを混ぜる「表層改良」や、セメントを混ぜた土を柱状にして基礎を支える「柱状改良」など、様々な方法がある。基本的には軟弱地盤が深く、建物の底面が大きいほど費用が高くなる。

建物にかかわる諸経費

家の設計

建物の外回りに関する費用

▶プランによって異なる
門扉や塀、フェンス、カーポート、物置など、建物の外回りに関する工事は、本体工事費に含まれないので要注意。また、玄関先の植栽や芝生、飛び石など庭づくりの費用も別途かかる。

ガスや給排水の引き込み工事

▶30万~60万円
ガスや給排水の本管から敷地内に引き込むための工事費用。各自治体の指定業者が行うことが決められていて、別途支払いが必要になる。費用は自治体によって異なる。

設計料

▶建築費の10~15%
ハウスメ-カ-に設計と施工を一括して依頼する場合は、本体工事費に設計料が含まれていることが一般的。設計事務所に依頼する場合は別途設計料が必要になる。

その他のお金

印紙代

▶契約金額によって異なる
土地の売買契約書、工事を請け負ってもらう施工業者との間でかわす「工事請負契約書」、住宅ロ-ンを申し込むときに作成する「金銭消費貸借契約書」にはそれぞれ印紙税がかかる。

火災保険料

▶10年間で15万~25万円程度
金融機関で住宅ロ-ンを契約する際は、火災保険への加入が求められることがほとんど。補償内容や期間は保険会社による。地震に備える場合は別途、地震保険料が必要となる。

建築確認申請費用

▶7万~15万円程度
着工に必要な「建築確認申請」のための費用。建物が建築基準法やその地域の条例に適合しているかどうか確認するために提出が義務付けられている。金額は自治体や住宅の規模によって異なる。

不動産取得税

▶3万~10万円
土地や建物など不動産を取得した際に支払う税金。有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税される。不動産が所在する都道府県に納め、申告期限は都道府県によって異なる。

司法書士報酬

▶10万~15万円
不動産登記(所有権の保存または移転など)や住宅ロ-ンにかかわる抵当権設定登記にかかる費用。素人には難しい手続きになるため、司法書士に依頼するのが一般的。

登録免許税

▶10万~15万円
土地や建物を登記する際や住宅ロ-ンに関わる抵当権を登記する際にかかる税金のこと。原則として現金で納付し、その領収書を登記申請書に貼付する。

団体生命信用保険料

▶借入額と返済額によって異なる
住宅ロ-ン契約者が返済の途中で死亡した場合、あるいは高度障害になった場合、残債返済のための保険のこと。民間住宅ロ-ンでは強制加入となっている。「フラット35」の場合、任意加入となる。

住宅ロ-ン保証料

▶20万~35万円
住宅ロ-ンを利用するために必要となる費用のひとつ。住宅ロ-ンの返済が滞った場合に備えて、返済を保証する保証会社に支払う。「フラット35」を利用する場合は不要で、ほかにも保証料なしの住宅ロ-ンが増えている。

融資手数料

▶3万~10万円
住宅ロ-ンを契約する際、金融機関に払う事務手数料を指す。金融機関によって金額が異なる。

監修/畠中雅子さん(ファイナンシャルプランナ-。連載、講演、セミナ-など幅広く活躍。複数の不動産を所有し、住宅ロ-ンのアドバイスも得意) 藤谷幹さん(創造系不動産所属。建築家とタッグを組み、「建築と不動産のあいだ」に焦点を当て、不動産やファイナンスをサポートする)

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