玄関に入ると目にするのは、たたきとその先に広がるモルタル床の土間。この土間スペースは、家族みんなで使うウォークインクロゼットを兼ねていて、リビングの一角にある畳スペースへ繋がります。ここは、Bさん夫妻と2人の子どもの住まい。マンションをリノベーション、その際に、空間と空間をつなぐ「ウォークスルー」の大型収納を設けました。おかげで、いつもすっきりと暮らしています。家事動線もスムーズというB邸。さっそく見せていただきましょう。
すべての画像を見る(全17枚)玄関横には収納と書斎を兼ねた土間スペースを
玄関横にあった個室の壁を撤去して、たたき部分とオープンにつながる土間スペースに。風通しのいい明るい空間に生まれ変わりました。
コートや帽子などの収納スペースが確保でき、夫のトレーニングスペースや書斎など、多用途に使える空間です。
「子どもが大きくなったら勉強部屋として使ってもいいかなと思っています」(夫)
玄関土間や廊下、リビングからもアクセスできるウォークインクロゼット。ここに家族全員分の衣類をまとめて収納しています。
「出かけるときは必ずここを通りますので、忙しい朝もスムーズで助かります」と妻。家族それぞれの収納場所がひと目で分かるので、子どもたちも自分で自分の洗濯物をしまう習慣がついたそう。
ウォークインクロゼットは、リビングの一角の畳スペースにもつながっています。引き戸を開け放しておけるので、風通しも抜群。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫43歳 妻37歳 長女5歳 長男3歳
▼リノベを選んだ理由
家族が増えて手狭になったことから、約50㎡から約80㎡のマンションに住み替え。収納不足を解消して家族4人が快適に暮らせる住まいにするため、シンプルで飽きのこないデザインが気に入ったアネストワンにリノベを依頼した
▼住宅の面積やコスト
専有面積/78.66㎡ 工事費/1200万円(税、設計料込み)
サニタリー&寝室につながるパントリーが便利
キッチンは木の扉に真ちゅ鍮の取っ手をつけたオリジナル。左手にパントリーがあり、普段使うものは決まった場所にしっかり収まっているので、カウンターもオープン棚もすっきりとしています。
内部にシンプルな可動式の棚をつけたパントリー。「キッチンは見せる収納ではなく、しっかりしまいたい」という妻の希望で、ストック食品やキッチンのこまごましたものを丸ごと収納できるパントリーを設置しました。棚の下には場所をとるゴミ箱も余裕で置けるうえ、リビングダイニング側からは見えません。
パントリー内のわずかなコーナー部分にも棚を設置。まだまだ余裕の収納力です。
キッチンから出入りできるパントリーは、洗面室ともつながっています。洗濯機置き場もこちらにあるので、「料理と洗濯を同時進行」というときも便利。
パントリーは毎日よく使う場所なので、アクセスのよさにこだわってプランニングしました。
大型収納のおかげでLDKはすっきり!
L字形の独立型キッチンから、オープンな対面式キッチンに変更。開放的で家族のコミュニケーションがとりやすいLDKに生まれ変わりました。ダイニングテーブル近くにはルーバー扉の収納を配置しています。
リノベ前はリビングダイニングと和室に分かれていた空間をひと続きのLDKに変更。南面の開口からたっぷり光を取り込めます。壁は漆喰仕上げ、床はナラの無垢フローリングを採用しました。
当初はハンモックを吊るす予定で、リビングの天井に穴を開けて金物を取り付けてもらっていましたが、子どもたちが遊べるロープに変更したら大好評!
リビングの一角の畳スペースも子どもたちのお気に入り。3枚引き戸は右の2枚が収納スペース、一番左はウォークインクロゼットへつながる扉です。「とくに子ども部屋は設けていません。寝室を仕切って使うなど、成長に合わせて考えていくつもり」とBさん夫妻。
玄関横の土間スペース&ウォークインクロゼットの対面側にある寝室。ウォークインクロゼットにすぐにアクセスでき、朝の身支度がスムーズです。床にはタイルカーペットを市松模様に貼っています。
玄関からの眺め。LDKの出入り口のドアは、輸入ガラスと真鍮のドアノブを使ってレトロな雰囲気に仕上げました。
土間、ウォークインクロゼット、パントリーと、リノベで人気の収納スペースを採用したBさん一家。これらのスペースが「収納」にとどまらず、空間と空間をつなぐ動線の役割を果たしているのが、B邸の暮らしやすさをアップさせている秘訣のようです。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工/アネストワン
設計・施工はもちろん、不動産の売買・仲介も手掛け、物件探しからワンストップでリノベーションをサポートする。自然素材を多用する家づくりのモットーは、時間とともに味わいを増す「本物で、心地よく、温かみのある空間」。オリジナルキッチンや家具のデザインも得意とする。
撮影/山田耕司 ※情報は「リライフプラスvol.20」取材時のものです