スキップフロアでマンションのLDKを立体的にゾーニングした木村邸。愛犬のチル(パグ・4歳)のために滑りにくいタイルカーペットを敷いたり、キッチンにゲートを設けたりと安全面にもしっかり配慮。さらに、愛犬のシャンプーがしやすい大きめの洗面台やドライヤー用のスペースなどを設けるなど、チルとの暮らしをより快適にするための工夫が散りばめられています。
すべての画像を見る(全16枚)愛犬と夫妻、それぞれの専用スペースをLDKに
チルがもっと自由に走り回れるように、という思いがベースになった木村邸のリノベーション。長い時間を過ごすLDKにお互いの専用スペースを設けるため、一部をスキップフロアにして空間を立体的にゾーニングしました。
スキップフロアの上部は夫妻のホビースペース、下部には扉付きのチル専用スペースがあります。
スキップフロア上部にチルが上れないように、高さを調整した階段。
「でも今ではラクラクとスキップフロアに上がってくるんですよね(笑)」と木村さん。
上部は夫妻のホビースペースで、壁側は仕事用のパソコンスペース、リビング側は夫の趣味であるゲーム専用スペースになっています。
階段を上れるようになったチルは、すっかりこの場所がお気に入りに。LDKを気持ちよく見渡せます。
スキップフロア下部は、OSB合板で囲まれたチル専用のスペース。チルが心地よく過ごせるように、体格に合わせて設計しました。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫30代、妻40代
▼リノベを選んだ理由
愛犬チルがもっと自由に走り回れるようにと、住み替えを検討。以前、ブルースタジオが設計した賃貸住宅に住んでいた縁もあり、物件の仲介と設計を同社に依頼。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/62.05㎡ 工事費/1200万円(税・設計料込み)
くつろぎのLDKは滑らないタイルカーペット敷き
チルと木村さん夫妻のコミュニケーションスペースとしての役割も果たすリビング。床にはオフィスで採用されることも多い、滑りにくいタイルカーペットを採用しました。そのおかげで、チルは広いリビングを自由に動き回れます。
また、汚れた部分だけ簡単に交換ができるのもタイルカーペットのメリットです。爪が引っかからないかチェックしたり、匂いをかがせたりして、チルに負担がないものをセレクトしました。
さらに、危険が伴うキッチンの入り口にはゲートを設け、安全面に配慮しています。
玄関から分かれる、ふたつの動線で快適に
床をモルタル仕上げにして、シューズボックスを造作した玄関。そのまま廊下を通れば水まわりやLDKに、寝室を経由すればウォークスルークロゼットを通ってスキップフロア上部のホビースペースにつながります。
ウォークスルークロゼットの壁面は有孔ボードにすることで、空間を有効活用。アクセサリーや帽子などの小物を掛けて収納しています。
突き当たりのカーテンを抜けた先が、ホビースペースです。
廊下を通ってアクセスするサニタリーにもひと工夫。チルのグルーミングがしやすいようにと、広くて深めの洗面ボウルをチョイスしました。
シャワーを設置して、立ったままシャンプーできるのもポイントです。また、隣はドライヤースペースになっているので、一連の動作が洗面室内で完結します。
洗面室の隣にあるトイレ。設計担当者のアイデアで、鮮やかな輸入クロスをあえて上下逆さまに貼ったそう。インパクトのある、印象的な空間になりました。
「わたしたちが家で仕事をしているときは、チルが見守ってくれることもあります」とほほえましいエピソードを話してくれた木村さん。
スキップフロアで立体的にゾーニングし、さらに家全体に回遊性のある動線をつくることで、木村さん夫妻もチルも安心して快適に暮らせる家になりました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計/ブルースタジオ
中古物件×リノベーションのパイオニア。フルオーダー住宅はもちろん、アパート再生、店舗デザインまで幅広く手掛け、経験と実績が豊富な頼れる存在。プロ集団が物件探しから資金計画までトータルでサポートしてくれる。毎月行われているセミナーや相談会も好評。
撮影/小川 聡 ※情報は「リライフプラス vol.39」掲載時のものです