近ごろのリノベーションで「三種の神器」とも呼べそうなほど人気のスペースが「パントリー」「シューズクロゼット(玄関土間)」「ウォークインクロゼット」。収納スペースが少なかったり、使い勝手が悪かったりすることが多いマンションの収納問題を解決する強い味方です。こちらのH邸もリノベで「三種の神器」を採用し、暮らしやすい住まいを手に入れました。使い勝手に関するリアルな声もうかがいながら、それぞれのスペースをじっくり見せていただきました。
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パントリーは、キッチンからアクセスしやすい場所に配置シューズクロゼットは、ブーツやコート、外用のおもちゃの収納などにウォークインクロゼットは、寝室&洗面室に隣接。朝の身支度がスムーズに!間取り(リノベーション前後)パントリーは、キッチンからアクセスしやすい場所に配置
アンティークのテーブルを置いた、明るいダイニング。キッチンに近いアーチ形の開口部がパントリーです。
寒色が好きな妻の希望で内部を濃紺の塗装で仕上げて、外から内部が目立たないようにしています。ドアがないオープンなつくりなので、キッチンからのアクセスがとてもスムーズ。パントリーを設けたおかげで、オーダーでつくったステンレスキッチンのワークトップは、常にスッキリと保たれています。
多種多様な調味料類、カゴに入った食材、保存食を入れた大きなビン類、キッチン家電などをすべてパントリーに収納しています。「キッチンのすぐ横で使いやすいし、暗くて貯蔵庫っぽいのが気に入っています」と妻。
オープン棚にはさまざまなタイプの鍋が整然と並びます。鍋だけを厳選して「見せる収納」にできるのも、パントリーがあるからこそ。
作業動線を考えて機能的につくられたキッチン。包丁やハサミは、壁のマグネットに貼りつけて収納しているのでサッと使えて便利です。オープン棚にはおそろいのガラス瓶に詰め替えた調味料がずらり。
キッチンからリビングの奥まで見通せるので、長男がどこで遊んでいても安心。130×90㎝の大きなカウンターは食材を切ったり、こねたり、でき上がったものを置いたりと大活躍しています。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫37歳 妻37歳 長男3歳
▼リノベを選んだ理由
2人目の子どもの出産を考えて広い部屋への住み替えを検討していたときに、同じマンションに93㎡の空室が出て、62㎡の部屋から住み替えることに。細切れになった3LDKの間取りが使いにくそうだったため、入居に合わせてリノベーションすることに
▼住宅の面積やコスト
専有面積/93.20㎡ 工事費/1320万円(税・設計料込み。施主支給分は別途)
シューズクロゼットは、ブーツやコート、外用のおもちゃの収納などに
たたき部分をヘキサゴンタイルで仕上げた玄関。もともと持っていたアンティークの下駄箱をぴったりと納めました。
たたきの延長にはシューズクロゼットも設置しました。寝室までタイル敷きの土間が続いていて、アンティークの下駄箱に入らないブーツなどはこちらに収納。コートや子どもの砂場用のおもちゃなど、外用のものも収納するスペースとして重宝しています。
「実は今、2人目を妊娠中なので、これからベビーカー置き場としても活用したいと思っています」(妻)
2室をつなげて広さを確保した寝室。デスク横のドアはシューズクローゼット、ベッドの足元付近の白い引き戸はウォークインクロゼットの出入り口です。「以前からお持ちのインテリアを生かすために、寝室やリビングに造り付け収納は一切つくらず、この2つの収納とパントリーをつくりました」と設計担当の高木亮さん。
玄関ホールとLDKの間には、造作したオリジナルデザインの建具を入れました。スリット状にガラスを入れた明かり取りも設けたので、LDKの光が玄関まで届き、室内の雰囲気も伝わります。
ウォークインクロゼットは、寝室&洗面室に隣接。朝の身支度がスムーズに!
寝室につなげたウォークインクロゼット。配管スペースの出っ張りを取り込み、棚をうまく配置することで使いやすく設計されています。奥行きの生じた部分には2方に棚をつけ、階段の踊り場のように中で人がすれ違えるようにしました。
夫妻の服、3歳の長男の服はすべてここに収納されています。寝室、ウォークインクロゼット、玄関という動線ができ、その先の洗面室にもアクセスしやすいため、朝の身支度がとてもスムーズに。寝室からウォークインクロゼット越しに洗面室まで見通せる視線の抜けが、夫のお気に入りとか。
洗面室には、日本に1台しかなかったコーラー社のペデスタル(脚付き)洗面台を取り寄せて設置。右手のルーバー扉の中は洗濯機置き場です。
洗面室からトイレを見たところ。壁と天井は妻の好きな濃紺の塗装で仕上げました。床は掃除がラクなビニールシートに。
「ムダな動きが一切ないので、子どもの支度を手伝いながらも、毎朝余裕を持って仕事に行けます」と妻。
キッチン隣接のパントリーは、妻こだわりのステンレスキッチンをすっきり保つのに貢献。寝室付近にまとめたシューズクロゼットとウォークインクロゼットは、朝の身支度を断然ラクに。3つの大型収納が、H邸の暮らしやすさに大いに役立っています。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計/ブルースタジオ
中古物件×リノベーションのパイオニア。フルオーダー住宅はもちろん、アパート再生、店舗デザインまで幅広く手掛け、経験と実績が豊富な頼れる存在。プロ集団が物件探しから資金計画までトータルでサポートしてくれる。毎月行われているセミナーや相談会も好評。
撮影/川辺明伸 ※情報は「リライフプラスvol.20」取材時のものです