愛知県豊橋市に本店があり、関東エリアでも店舗を展開するグリーンとインテリアのショップ「garage」のオーナーである二村昌彦さんは、子どもの誕生を機に当時築35年のマンションのセルフリノベをスタート。約3か月かけてリノベーションを行いました。手入れが行き届くボリュームの植物をさりげなく散りばめ、「シンプルで素朴な空間」をテーマに、今もセルフリノベは続いています。
すべての画像を見る(全15枚)ヴィンテージ×グリーンで素朴な空間に
LDKはゆったりとしたスペースを確保。床材や壁面にはヴィンテージ感のある木材を使い、武骨で素朴なイメージに仕上げました。
リビングのグリーンは、視線を遮らないよう、円柱状に成長するネフロレピス(写真右手)をメインにセレクトしました。
リビングにはスタディルームが隣接しています。その間を仕切るのはワイドな吊り引き戸で、二村さんが足場板を使ってDIYしたものです。
スタディールームの壁の一面はカナダのバーンウッド張りに。背の高いブラキキトンを合わせることで、シンプルな空間にメリハリをつけました。
ダイニングは厳選した色でシンプルにまとめて
壁の白、床やテーブルの茶、キッチンのシルバー。ダイニングは使用する色を厳選したことで、すっきりとした印象にまとまりました。食器や食材などは、ダインイングテーブルの奥にある大型のパントリーに収納しています。
キッチンの一角にディスプレイした茎が長いリプサリスは、吊り鉢との相性が抜群です。
ステンレス製のキッチンに合わせて、キッチンの壁はグレーにペイントしました。
バルコニーはウッドデッキをDIY
バリエーション豊かなグリーンが並ぶバルコニーには、デッキをDIY。柵に貼ったルーバーは隙間を広めに取り、日当たりと風通しを確保しました。
床に防腐剤を注入したACQ材(高耐久防腐注入材)を張り、室内とのレベルを合わせたことで、室内外の一体感を出しています。
「garage」オリジナルの大きな鉢に植えたオリーブが二村邸のシンボルツリーです。
その場所の環境にあったグリーンを厳選
日の当たらない玄関ホールにはドライフラワーをディスプレイ。アジサイやバンクシア、ユーカリの枝をブーケ風にまとめました。
また、玄関ホールのライトには、野ばらの実をシェード代わりに巻き付けて、ナチュラルに演出しています。ブルーの木製棚はオランダのアンティークショップでひと目ぼれして手に入れたものです。
洗面所の窓には、土が必要ないマンション向きのチランジアを雑貨感覚でディスプレイ。
ローベッドを置いたシンプルな寝室の梁には、夏になると淡いピンクの花が咲くホヤ・カルノーサを吊り下げました。ハンギングはマンションでも取り入れやすいグリーンのディスプレイ方法です。
変わった植物を見つけたときについ手に入れたくなる衝動を抑え、しっかりケアできる範囲内で住まいにグリーンを取り入れているという二村さん。
「家の主役はあくまでも暮らす人。グリーンは生活動線を邪魔しない程度のボリュームに抑えるのがおすすめです」と話します。厳選されたグリーンが暮らしをさりげなく彩る二村邸でした。
撮影/平沢千秋 ※情報は「リライフプラスvol.24」取材時のものです