キッチン背面のキャビネットやパントリー収納やLDKの小上がり収納、洗濯の時短に役立つ洗面室の物干しバー、スペースも収納も十分に確保した玄関など、「自分たちに合った片付けやすさ」を追求した住まい。片付けが苦手でも、それぞれのモノに居場所をつくることで、よりいっそうスッキリとゆとりある空間へと生まれ変わりました。90㎡超のマンションをリノベーションしたTさんのお宅を訪ねました。
すべての画像を見る(全18枚)マルチに活躍する小上がりには、収納の機能も
ダイニングからキッチンを見たところ。写真左手奥に見えるのは、オーダーメイドの収納棚です。その裏は小上がりスペースに。オーダーの収納は、背板を手前と奥に交互に付けていて、キッチンからも小上がりからもアプローチできる仕組みに。
子どもたちが引き出しているのは収納を兼ねたベンチ。来客用の布団やひな人形、季節家電やおもちゃ、洋服などのかさばるものをまとめて収納しています。ベンチが収まるスペースは、裏の小上がりの床下を活用。
手前のベンチ兼収納を引き出した奥には、さらにキャスター付きの引き出しがあります。
階段下も余すところなく収納スペースに活用。
小上がりはおもにゲストルームとして使っていますが、子どもたちの遊び場としても活躍しています。将来は夫婦の寝室にする予定だそう。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫42歳 妻37歳 長男5歳 長女2歳 次男0歳
▼リノベを選んだ理由
2人目の子どもが誕生して、住んでいた賃貸住宅が手狭になったことから、住み替えの検討をスタート。3人目が生まれても十分な90㎡以上の広さを条件に中古マンションを探した。たまたま以前の住まいの近くにあったリノベーション会社・リノキューブと好みが合致し、依頼することに
▼住宅の面積やコスト
専有面積/93.34㎡ 工事費/1350万円(税・設計料込み)
収納が豊富なオリジナルのアイランドキッチン
東南角部屋に位置していため、朝はダイニングの窓から日差しがたっぷり差し込みます。ダイニングキッチンがスッキリ保たれているのは、収納豊富なオーダーメイドのアイランドキッチンのおかげ。キッチン本体はダイニング側にも収納を設けました。
日常使いの食器はキッチン背面のキャビネットに収めつつ、ダイニング側には来客用の食器やキャンプ用のお皿、弁当箱などを収納しています。
キッチン背面のキャビネットは、どこに何を入れるかをしっかり考えてプランニングしました。「そのおかげで、キッチンを常にキレイに保てます」と妻。
さらにキッチン奥にはパントリーを設け、以前使っていた食器棚がぴったり入るように設計。食品のほか、文房具や書類なども一緒に収納しています。
収納プラスアルファの工夫で片付けやすさがアップ
ウォークインクロゼットには家族5人分の洋服をまとめて収納。光と風が入るよう、小上がりとの間仕切りに室内窓を設けました。
ウォークインクロゼットの向かいにあるサニタリーにも収納をしっかり設けつつ、天井には物干しバーを設置。「取り込んだ洗濯物をいったん物干しにかけて、たたみながらどんどん下の棚に片づけられるので、とても便利です」と妻。
洗面台の下には、保育園のバッグなどを掛けられるバーを取り付けています。
多目的に使えるゆとりの玄関土間
ベビーカーでそのまま入れる広々とした玄関。大容量のシューズクロゼットに加え、玄関ドア側にはタープやテーブル、椅子などのキャンプ用品がしまえる収納を、子ども室側には夫の工具のほか、洗剤やシャンプーなど日用品のストックが置ける棚を設けました。
また、玄関ホールの一角には洗面台を設置。トイレの後や帰宅後に手を洗いやすく、朝の洗面所の混雑も軽減できます。
玄関の向かいには子ども室につながる扉が2つ。現在はひとつながりの広々とした個室ですが、将来的には2部屋に分割する予定です。
玄関側とダイニング側、両方の壁に窓を設けたことで、光と風が通り抜ける明るい空間に。部屋の幅にぴったり収まる3台のテーブルも、オーダーメイドしたものです。
片付けがあまり得意ではないというTさん夫妻。片付けやすさを重視した収納計画で、90㎡超えの住まいにさらなるゆとりをプラスできました。
「もしもう一度住まいを探すとしても、絶対に中古リノベーションがいいなって思います。自分たちの思いをたくさん盛り込めたことで、愛着もひとしおです!」と夫妻は満足そうに話してくれました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工/リノキューブ
名古屋市を中心にリノベーションを専門に手掛ける一級建築士事務所。施工実績も豊富で、中古物件探しからデザイン、アフターサービスまで、ワンストップで専任スタッフがサポートする
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.24」取材時のものです