リビングの一角にはワイドなワークデスクと天井まで高さのある本棚を配置し、グラフィックデザイナーである夫のアトリエスペースに。鮮やかなイエローの本棚には本だけでなく、雑貨やカメラなどをディスプレイするように収納しています。キッチンや玄関、寝室にたっぷりの収納を設けた、機能的かつ自由で楽しい住まいがリノベーションで完成しました。
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壁一面の黄色い本棚がLDKの主役にオープン収納が便利なコの字型キッチン優しい色合いの壁紙で心地いい眠りを亜鉛板&ビタミンカラーの扉たちゆったり身支度できるサニタリー間取り(リノベーション前後)壁一面の黄色い本棚がLDKの主役に
夫のアトリエスペースにある本棚は本や好きなもので埋め尽くされ、「収納」という機能を超えた「プチギャラリー」のよう。本や雑誌、プリンターなど、置きたいもののエリアを大まかに決めてデザインしました。
棚の奥行きを意識的に深くしたことで、雑貨やカメラなどもゆったりディスプレイできます。棚板は可動式で、自由にレイアウトができるのも魅力。「本の背表紙のフォントやタイプフェーズが目に入るだけでアイデアがわいてきます」と夫。
LDKの床は白っぽく仕上げたオーク材。日当たりのよい空間をより明るく演出しています。白を基調にしたLDKには時計やガーランドなどのカラフルなアイテムが映え、自由で楽しげな雰囲気に。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫41歳 妻35歳 長男2歳 次男0歳
▼リノベを選んだ理由
長男の妊娠を機に家探しをしていたところ、知人の紹介でこの物件を紹介された。立地も建物の条件も良かったことから、隣り合う2戸をつなげて1つの住戸に変える大規模なリノベーションに踏み切った。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/98.00㎡
オープン収納が便利なコの字型キッチン
オリジナルデザインのキッチンは、オープン収納と引き出しをバランスよく配置されています。カウンターの下のオープン収納は、冷蔵庫の扉のポケットから発想したのだそう。引き戸の取っ手は亜鉛版でつくりアクセントに。
見えにくく使いやすい場所にゴミ箱置き場を設けました。
優しい色合いの壁紙で心地いい眠りを
寝室の壁の一面には、植物モチーフの壁紙を取り入れました。
別の壁面には亜鉛メッキを施したスチール製ハンガーパイプを設置。よく着る物を掛けたり、ゲストのコート掛けにしたりと活躍しています。また、ハンガーパイプの下には市販の引き出し収納を置いています。
右側の白いルーバー扉の先には、大型のウォークインクロゼットがあり、衣類をまとめて収納しています。
亜鉛板&ビタミンカラーの扉たち
玄関扉の内側は、元気の出るビタミンカラーで塗装しました。廊下沿いに並ぶ扉は亜鉛版で造作。金属の硬くラフな質感が、全体に明るくやさしい印象のインテリアを引き締めています。
靴収納は土間と廊下の段差をうまく生かしたデザイン。下の隙間にも靴が置けます。その上部の壁は、隣接するウォークインクロゼットに光と風を送るためにルーバーにしています。
また、玄関にも大きな収納があります。引き戸の中には靴をはじめ、リネン類や掃除機などさまざまなものを収めています。
ゆったり身支度できるサニタリー
以前は各住戸ごとにあった洗面室と浴室、トイレをひとつにまとめ、ゆったり使えるようにスペースを広げました。「使うものは使う場所に」をコンセプトに、各所に十分な収納を設けています。
また、大型のミラーが使いやすそうな洗面室は、カウンター下にカゴやワゴンを置いて工夫しながら使っています。
トイレはタンクレスタイプを採用してスッキリした空間に。
トイレットペーパーをストックしておくオープン棚も、亜鉛板を用いて統一感を出しました。
イエローの本棚があるアトリエスペースとカウンター付きキッチンが、ごく自然に共存するT邸。「ようやく最近、私たちなりの色が出せてきたかなあと感じています」と妻。
玄関収納・キッチン収納・ウォークインクロゼットなど、充実した収納スペースが、増え続けるモノをしっかり受け入れて、家族4人の生活をスッキリ快適に保っていました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計/ Sohei Nakanishi Design
代表の中西宗平さんは1979年、東京生まれ。ロンドンのRavensbourne College of Design and Communicationの建築コースを卒業後、イギリスのデザイン会社で経験を積み、帰国。新築、リノベーション、家具デザインなどを手掛ける
撮影/遠藤 宏 ※情報は「リライフプラスvol.24」取材時のものです