夫の実家までクルマで5分という立地や環境が気に入って購入した築35年のマンション。大規模マンションの先駆け的な物件で、近くに暮らす母も夫もよく知っている物件だったそうです。縦に細長い部屋をいかに広く明るく見せるか、がリノベの大きなテーマだったいうHさん。なるべく部屋を仕切らずに、キッチンもウォークスルーにして開放的に。さらに回遊性を持たせた住まいにリノベしました。
すべての画像を見る(全17枚)玄関土間と一体になる和室
玄関横に和室、という提案に「最初はびっくりした」という夫妻。しかし実際に住んでみると、壁を取り払ってオープンになったスペースが縁側風にも、セカンドリビングとしても使えて重宝しているそう。ちょっとした用事で立ち寄った父母がここで話して帰ることもよくあるといいます。
玄関側の床下には、くぼみをつくって靴を置けるようにしました。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫38歳 妻35歳 長男0歳
▼リノベを選んだ理由
リノベ経験者である妻の先輩からリノベーション会社・ブルースタジオを紹介され、同社とならきっといい家がつくれると確信したため。オープンキッチン、広いウォークインクロゼット、玄関土間などを希望。要望のほとんどが実現できた
▼住宅の面積やコスト
専有面積/72.50㎡ 築35年(昭和58年築)
LDKの一角に夫婦のワークスペースを
夫は家で仕事をすることがあるため、ワークスペースの設置を希望しました。家族とコミュニケーションが取りやすいよう、LDKの一角に設けることに。上部の棚はIKEAのパーツを使って入居後に自分たちでDIYしたもの。最初から棚をつくるつもりで、下地材を入れてもらいました。
ナチュラルな雰囲気の家具で揃えたリビングダイニング。イデーで購入したセルジュ・ムーユの繊細なフロアライトは、インテリアの路線を決める軸として選びました。
リビングに隣接した寝室。「寝室がリビングのそばにあるほうが居住性が高まる」と設計担当者から提案され、このような間取りにしたそう。寝室はベランダに面しているので、「布団も干しやすくて満足しています」と妻。
リビングの床の一部は、天然石のタイルを貼ってインナーテラスに。
寝室とリビングの間には、ほどよく気配が感じられる室内窓を設置しました。
部屋を仕切らずに、通り抜けできるつくり
キッチンの位置はそのままに、壁を取り払ってオープンに。壁のネイビーのタイルがアクセントになっています。
和室からLDK方向を見たところ。細長いつくりなので、なるべく部屋を仕切らずに広く明るく見せるため、キッチンもウォークスルーにして開放的に。さらに回遊性もプラスされました。
寝室から洗面室に抜けるウォークスルークロゼット。上部に棚、片面にハンガーパイプを設置して、たっぷりの収納量を確保。家族全員の洋服がここに収まっています。
洗面スペースはコンパクトかつシンプルなデザイン。ほかのスペースとの調和を図りながらも、アクセントとなるような空間となりました。
トイレの位置はほぼ以前のままですが、スペースを少し広げて設備を一新。壁の位置をずらしたことで生まれた空間をニッチとして活用しています。
洋室をひとつつぶして広く取った土間スペースのおかげで収納スペースが充実。
土間の壁にはあらかじめ下地材を入れて、オープン棚をDIYで取り付けました。入居後には待望の第一子も誕生。「夫が生まれ育った街で、子育てをするのは安心感がある」と妻が言えば、「困ったことがあったら助けてくれる人が近くにいるというのがいい」と夫。両親との近居も適度な距離感で上手に住みこなしているようです。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計/ブルースタジオ
中古購入×リノベーションのパイオニア的存在。不動産と設計それぞれのプロが組んで、街探しから始まるリノベーションをワンストップでサポート。住宅取得から将来の住み替えまで、資産価値を見据えた提案も行う。定額制セレクトオーダーの「TOKYO*STANDARD」も好評
撮影/水谷綾子 ※情報は「リライフプラス vol.32」掲載時のものです