マンション内に妻の実家があり、子どもたちの通う学校までは徒歩1分という抜群の住環境を優先し、10年住んだ築30年超のマンションをリノベーション。内部を一度スケルトンにして配管をすべて更新し、床レベルを揃え、各スペースの不満を解消しました。

LDKでくつろぐ家族
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目次:

スケルトンリノベで快適な空間を再構成微調整で個室の使いやすさが格段にアップ無駄に長い廊下を玄関や収納に有効活用間取り(リノベーション前後)

スケルトンリノベで快適な空間を再構成

スケルトンリノベで床レベルを統一したLDK

専有部の給排水管の交換を検討したことをきっかけに、築32年になる自宅マンションをリノベーションしたNさん。圧迫感のあるキッチンや狭い玄関、無駄に長く広い廊下など、10年間暮らしてきたので不満は明確でした。

「10年前に入居する際やそのあとも、設備の更新や収納のリフォームなどをして少しずつ手入れをしてきたけれど、今思えばすべて中途半端でした」と夫。

スケルトンリノベで給排水菅を更新し、大きな間取り変更はないものの、設備を一新したほか、断熱材の充てん、各スペースの微調整を行い、快適な空間を再構成しました。

明るく清潔感のあるDK

南向きの明るいLDK。室内の床レベルを揃えるため、リビングの床は10cmほど上がりましたが、天井を組まずにクロスで仕上げたので、それほど圧迫感は感じられません。

モルタル風フロアタイルを敷いたキッチン

キッチンの床はモルタルを希望していましたが、掃除やメンテナンスのしやすさ、価格を考慮してモルタル風のフロアタイルをセレクト。

ゆったりとしたワークトップを設け、調理も配膳もスムーズになりました。ダイニングにいる家族とのコミュニケーションも取りやすく、子どもたちのお手伝いのしやすさもアップ。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
夫39歳 妻38歳 長男11歳 長女9歳

▼リノベを選んだ理由
10年住んだ自宅マンションの給排水管更新の時期を迎え、引っ越しをするよりも、住み慣れた環境を優先したいと思ったから。新しい家を購入する手間や費用を考慮しても、自宅リノベがベストと判断した。

▼住宅の面積やコスト
専有面積/75.68㎡ 工事費/1020万円(税・設計料込み)

微調整で個室の使いやすさが格段にアップ

リビング拡張部分にソファを配置

リビングに隣接していた個室をコンパクトにすることで、ソファや棚を置いているスペースをリビングに取り込みました。壁には室内窓を設置して、リビングからの光を個室まで届けています。

リビング横の個室

その室内窓でつながる個室は、以前は和室でしたが洋室に変更しました。

パソコンを置いたワークスペース

主に夫の寝室として使っていて、その一角にはパソコンを置いたワークスペースも。隣には夫婦共有のクロゼットを設けています。

床材を変えたふたつの個室

廊下に面した2つの個室は子ども室。フロアタイルを貼り分けて印象を変えました。また、必要になったらDIYで棚を付けることもできるよう、壁に下地材を入れて将来の変化に備えています。

子ども室と玄関をつなげる室内窓

玄関側の個室には室内窓を設け、光を玄関まで届けています。

無駄に長い廊下を玄関や収納に有効活用

収納豊富な玄関ホール

「無駄に長かった」という廊下の一部を活用して、広々とした玄関が誕生。右手には大容量の収納が並びます。

突板仕上げの廊下

LDKとひと続きの廊下は、LDKと同じ突き板フローリング仕上げ。その他のスペースには、フロアタイルを採用することでコストダウンを図りました。

アクセントクロスで引き締めたトイレ

廊下に面したトイレはブルーのクロスを取り入れてアクセントに。スペースを広くとるために、トイレと洗面室のドアは開き戸から引き戸に変更しました。

洗濯機がすっきり収まる洗面室

洗面脱衣室は白で統一してスッキリ。キッチンの冷蔵庫を置くスペースの壁を下げたぶん、洗面室は少しコンパクトになりましたが、ドラム式洗濯機がピッタリ収まりました。

さらに広くしたリビング

自宅リノベにあたって、2回の引っ越しや家族が数か月別居するなど、大変なことも多くありました。

「レンタルボックスを借りて荷物を移動したり、仮住まいをしたりといろいろ大変だったけど、結果的には大満足です」と夫妻。きれいな空間を保つために、もの減らす習慣も身につき、ストレスフリーの暮らしを手に入れました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前

リノベーション後の間取り図

リノベーション後

設計/インテリックス空間設計
創業から累計で2万1000件超えのマンション専門のリノベーション会社。物件探しの段階からサポートするワンストップリノベを行う。東京・青山リノベーションスタジオでは、様々なリノベーションのアイデアに触れることができる

撮影/飯貝拓司 ※情報は「リライフプラスvol.37」取材時のものです