リノベーションのプランニングで希望したのは「居心地のいい、だだっ広い」住まい。細長い間取りのマンションを土間でゆるく振り分け、唯一の個室である寝室もガラスで仕切ったU邸は、暮らしも仕事ものびのびと楽しめる、約85㎡の1LDK。まるでワンルームのような開放的な空間です。たくさんの窓に加え、5つの天窓もあり、住まい全体が自然光であふれています。
すべての画像を見る(全13枚)居場所がたくさんあるワンルームのようなLDK
細長い形状がユニークなU邸。玄関土間を境に、片側にはLDK、もう一方には寝室を配置しました。広い玄関土間からは直接ダイニングキッチンにつながります。
造作のダイニングテーブルは、天板を外して脚を横にするとローテーブルに変身。「ホームパーティの時はリビングで使っています。大勢で座ることができて便利なんですよ」と夫は話します。
ダイニングキッチンの奥は陽がたっぷり差し込むリビング。窓際にはカウンターを設置し、仕事をする時に使っています。
リビングには長いテレビボードを造作しました。
この壁面には天井に設置したプロジェクターの映像を投影できます。リモートワークの合間にゲームをするなどしてリフレッシュするのにも活用。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫32歳 妻36歳
▼リノベを選んだ理由
家で仕事をすることが多く、「居心地のいい、だだっ広い1LDK」を求めていたが、新築マンションではかなわず、「一から戸建てをつくるより、ある程度の制約の中で自分たちなりに自由に変えてみたい」と、リノベーションを選択。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/85.76㎡ 築19年(平成13年築)
ガラスでゆるく仕切った寝室はベンチでさりげなく目隠し
土間をはさんで反対側には寝室があります。「抜けが欲しかったので、寝室の間仕切りはお金がかかってもいいからガラスにしたかった」と妻。おかげで開放感に満ちた寝室となりました。手前のベンチはベッドの目隠しに。
寝室には大容量のクロゼットを設置。その黒い扉は、実はホワイトボード。「目が覚めて、仕事のアイデアが浮かんだらすぐ書けるように。なんだかカッコいいんですけど(笑)」と夫。ベンチのおかげで、LDKとほどよい距離感を保てています。
開放的なサニタリーは美しくて機能的
U邸の玄関を入ると奥まで土間が広がります。土間はハンモックを置いてもまだ余裕があるほどゆったり。右手のガラス張りの部分は浴室です。
当初から在来工法と決めていたこだわりのバスルーム。壁の一部をガラス張りにして、LDKからの光を取り込んでいます。「開放感があってとてもリラックスできます」と夫。
「あまり外に出したくないけど、しまいすぎると面倒。生活感を出さずに、適度に使いやすく」という妻の要望を反映して、美しすぎる洗面カウンターができあがりました。
予算をオーバーしそうになったこともありましたが、在来工法の浴室やガラスの間仕切りなど、こだわりを諦めなかったUさん夫妻。譲れないものはそのままに、それ以外の素材や仕様を変えるなどの工夫でコストを調整しました。
「ブルースタジオさんが工事費の中身をすべて開示し、説得力のある代替案を示してくれたので、我慢したとか諦めたとかではなく、納得して減額ができました」と夫妻。満足度の高い家づくりとなったようです。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計/ブルースタジオ
中古購入+リノベーションのパイオニア的存在。不動産と設計のプロが組み、街探しから始まるリノベーションをワンストップでサポートする。団地リノベや街のブランディングなどの実績も豊富で幅広い。定額制セレクトオーダーの「TOKYO*STANDARD」も用意
撮影/千葉芳敬 ※情報は「リライフプラスvol.37」取材時のものです