長く暮らした約50㎡のマンションに、家族3人の居場所をつくることをメインテーマにしたリノベーション。長女の部屋はLDKとゆるくつなげて最低限の機能を持たせた超コンパクトな空間に。大容量の床下収納を備えた和室は夫妻の寝室、くつろぎの場所、ゲストを迎える応接室など、 多用途なスペースにしました。コンパクトなスペースをフル活用しています。
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天井から床までフル活用してLDKに余白を長女の部屋は約2.4畳と超コンパクト!複数の役割を持たせた、小上がりの和室洗面台を明るく広々とした廊下に設置必要な場所にしっかり収納を設置した水まわり間取り(リノベーション前後)天井から床までフル活用してLDKに余白を
空間をできるだけ広く使うために、和室の床下収納やウォークインクロゼットなど大容量の収納を設けたほか、キッチン壁面やダイニングの天井など、空間を立体的に使って随所に収納を設けたH邸。
LDKの天井にはラックを設け、スピーカーやWi-Fiルーターの置き場。仕上げにおしゃれな竹ザルで目隠しをしました。近いうちにプロジェクターも設置予定だそうで、「電源や端子なども天井近くに設置してもらったため、配線もスッキリしました」と夫。
「以前のキッチンは狭くて2人で立てませんでした」というキッチンは、LDKの壁一面にワイドに設置。夫妻が料理をして、長女が横でデザートを作ったりと、家族3人で並んで立つこともできるようになりました。
また、手持ちの調理器具などのサイズをすべて図り、それらに合わせて収納の引き出しの高さを設定しています。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫50代、妻50代、長女14歳
▼リノベを選んだ理由
「長女が中学校に上がるタイミングで個室を」と思い新居を探すも、住み慣れた場所を離れたくないと長女が猛反対。「今の家をリノベーションする方法もある」とブルースタジオの担当者に提案されて、リノベーションを行うことに。
▼住宅の面積
専有面積/50.15㎡
長女の部屋は約2.4畳と超コンパクト!
LDKに隣接した長女の部屋は、右手の本棚で仕切っただけで、LDKとゆるやかにつながりをもたせました。ベッド下は収納になっていて、本棚の下にはピアノを収めています。正面に見える小窓を開けると、隣接するウォークインクロゼット、和室を介して北側の窓へと風が抜けていきます。
複数の役割を持たせた、小上がりの和室
玄関入ってすぐの場所に、小上がりの和室を設けました。障子を閉めればプライバシーが守られた個室になり、オープンにすれば土間と一体化した広々とした空間となります。
夫妻の寝室として使うほか、夫がパソコンをしたり本を読んだりしてくつろぐスペースとしても使用しています。また長女が友達を招いた際は応接間のようなスペースにもなり、様々なシーンで活用しています。
和室は床下収納を備えており、「防災グッズなど普段は使わないものを保管できるので、とても助かっています」と夫。
さらに和室の奥には約2.5畳のウォークインクロゼットを設置しました。右手の押し入れには布団や妻の桐ダンスなどを収めています。
和室の横には「自転車を置く場所がほしい」とリクエストしてつくってもらった、コンパクトな土間が。小上がりに腰かけながら、土間で作業をすることもできます。
洗面台を明るく広々とした廊下に設置
和室沿いに伸びる廊下は、障子越しにやわらかな光が届きます。廊下の床材はLDKと同じ床暖房対応のチークフローリングを採用しました。
明るく広々とした廊下には洗面台を配置。「娘に占領されて混雑しがちなので、広くしたかった」と夫は話します。廊下に移動したおかげで脱衣室の中がスッキリと広くなり、収納も確保できました。「外から帰ってきて、すぐ手洗いやうがいができるのも便利です」と妻。
必要な場所にしっかり収納を設置した水まわり
トイレは位置を変えずに、設備や仕上げを一新しました。上部に棚を設けて、収納スペースを確保。床材に用いたムラ感のあるシックなタイルが空間を引き締めています。
脱衣所は洗面台を廊下に移動したことで広々とした空間に。洗濯グッズや洗剤、タオルなどがスッキリと収納されています。
LDKや和室、廊下などに複数の役割を持たせることで、限られた空間に家族3人の居場所をつくりだしたH邸。「以前は物があふれていましたが、今は物の居場所ができてスッキリ。家族でゆったり料理も楽しめるようになりました」と夫は話してくれました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
※情報は「リライフプラスvol.36」取材時のものです
設計/ブルースタジオ 撮影/水谷綾子