リビングの一角に「小さなおうち」があるようなユニークな間取り。そんな特徴を備えたマンションリノベーション。最優先したのは、子どもたちが笑顔でくつろげる家づくり。「小さなおうち」は、3人の子どもたちの子ども室なのです。子どもが3人に増えたのを機に、中古マンションを買ってリノベーションしたというKさん夫婦のプランを見ていきましょう。

リビングでくつろぐKさんファミリー
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目次:

「小さなおうち」を囲むようにLDKを配置洗面室は家族5人が快適に使えるようオープンにIKEAキッチンで、スタイリッシュ&ローコストを実現シャワーカーテンを子ども室のドア代わりに室内窓で光を呼び込み、明るいエントランスに間取り(リノベーション前後)

「小さなおうち」を囲むようにLDKを配置

開放感がありながらも落ち着いた雰囲気のリビングとダイニング

リビングに面した室内窓がかわいらしい「小さなおうち」が長女と次女の部屋。天井の傾斜とグレイッシュグリーンの壁色が部屋全体のデザイン性をアップさせ、この住まいのシンボル的存在となっています。

キッチンは天井の梁でリビングダイニングとゆるく区切ることで、開放感がありながらも落ち着いた雰囲気に。向かいの子ども室の様子もうかがいながら、家事を進められます。

IKEAの伸縮式ダイニングテーブル

キッチンと連なるダイニングテーブルはIKEAのもの。伸縮式なので、親戚や友達家族など大人数で集まるときにも大活躍。白いキャビネットもIKEAで購入しました。

光がたっぷり差し込むリビング

南に面した2つの窓からはたっぷりの光が差し込みます。「この部屋に住むようになって、掃除や片付けが好きになりました」と妻。

収納力もあるリビング奥の小上がりは子どもたちお気に入りの遊び場兼ステージになっていて、家族発表会を楽しむこともあるそう。床下には、出番は少ないけれど大きくてかさばる客用布団やスーツケースなどを収納しています。

小上がりは将来、天井のバーにカーテンを掛けて個室にし、長男の部屋にする予定だそう。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
30代夫婦、長女8歳、次女5歳、長男3歳

▼リノベを選んだ理由
子どもが3人に増えて手狭になってきたため。新築マンションは内装の好みが合わず、自分たちだけのオリジナルな空間を求めて中古マンションをリノベーションすることに。

▼住宅の面積やコスト
82.11㎡(2LDK+WIC)、工事費 1000万円(税・設計料込み)

洗面室は家族5人が快適に使えるようオープンに

ダブルボウルのある洗面所

リノベーションでもうひとつ重視した場所が洗面所。朝は家族5人で取り合いになるため、エントランススペースを有効活用して洗面所と共有することで余裕のある空間に。

また、朝の混雑を少しでも和らげるために、洗面ボウルを2つ並べました。シンク下には大容量の引き出しをつけて配管を隠し、洗面道具を収納できるようにしています。

エントランスホールと洗面所を共有

広さを確保するため、エントランスホールと洗面所を共有。子どもたちが帰ってきてすぐに手洗いとうがいができるようにしています。風邪などのウイルスを部屋に持ち込ませないように、と考えたプラン。

IKEAキッチンで、スタイリッシュ&ローコストを実現

IKEAのステンレスキッチン

クールなステンレスキッチンは妻の希望で選んだIKEAのもので、うまく予算内に収まりました。キッチンのシンクはワークトップとの間に継ぎ目がないので掃除がしやすく、気になるヌメリやカビも防げます。

使い勝手を重視したキッチン収納

キッチン収納の一部にはあえて扉を取り付けず、使い勝手を重視して炊飯器などの小型家電を引き出しやすくしました。コンロ前の壁は、DIYが得意な妻が白いタイルを貼って仕上げました。

リビングの小上がりまでよく見えるキッチン

キッチンからはリビングの小上がりまでよく見えます。

シャワーカーテンを子ども室のドア代わりに

子ども室の出入り口はIKEAのシャワーカーテンを使用

子ども室の出入り口にはドアではなくカーテンにしたことで、キッチンやリビングダイニングからも気配を感じられるように。

ポップなデザインのカーテンはIKEAのシャワーカーテンです。撥水加工のあるポリエステル地なので、汚れもすぐに拭き取れて子ども室にぴったり。

真ん中に置いた2段ベッドで区切った子ども室

子ども室の出入り口は2か所ありますが、中はワンルーム。真ん中に置いた2段ベッドで部屋を区切り、長女と次女が使っています。

格子屋根にして傾斜させた天井

天井は圧迫感がないように格子屋根にして傾斜させました。

左右と正面の壁紙を違う色にすることで奥行きを出したトイレ

トイレの床はビニールタイル。左右と正面の壁紙を違う色にすることで奥行きを出しました。

室内窓で光を呼び込み、明るいエントランスに

IKEAのシューズキャビネットを3つ並べたエントランス

暗かったエントランスには、寝室から室内窓を通して光を呼び込みました。当初は造作予定だったシューズキャビネットは、予算削減のためにIKEAで購入。3つを並べて壁に固定するとまさかのシンデレラフィット。

子どもたちがゆっくり靴の脱ぎ履きができるよう、土間の上がり框も余裕を持たせました。

夫の書斎も兼ねるゆるい台形の寝室

夫の書斎も兼ねるゆるい台形の寝室。床はリビングダイニングと同じアカシアの無垢フローリングで仕上げました。

通路から見たLDK

ベランダに向けて緩く広がる台形の部屋を再構築し、採光と通風をアップさせたK邸。キッチンを軸に、家族の気配を感じられる子どもファーストの住まいが完成しました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前

リノベーション後の間取り図

リノベーション後

※情報は「リライフプラス vol.35」掲載時のものです。
設計/平野玲以建築設計事務所 撮影/飯貝拓司