光や風を通す開放的なキッチン、ダイニングテーブルとしても使えるカウンターキッチンや小上がり…。快適に暮らせる工夫がいっぱいのマンションリノベを実現。キッチンはイエロー、寝室は赤など場所ごとにテーマカラーを決めて鮮やかな色のクロスを取り入れたのも見どころ。Oさんのカラフルで楽しい住まいを見せていただきました。
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キッチンにはイエローのクロスを。テーマはモロッコ風小上がりのテーマカラーは日本らしい「紺」絵画が映える「赤」を寝室のテーマカラーに洗面とトイレは同空間に。ホテルライクなサニタリー間取り(リノベーション前後)キッチンにはイエローのクロスを。テーマはモロッコ風
実家、賃貸、海外での生活など、様々な住宅遍歴を経て「自分の自由になる家を持ちたい」と考えたOさん。細部にもこだわり、インテリアについては部屋ごとにテーマカラーを決めてクロスでアクセントをつけました。
キッチンのテーマはモロッコ風。明るく深みのあるイエローのクロスを2面にあしらい、コンロ脇のレンガとも相性ピッタリ。背面のカップボードはキッチンの付属品。その上にオープン棚を造作しました。
フルオープンの開放的なキッチン。壁上部の開口や建具のガラス、サニタリーの壁に設けた小窓など、室内に光や風を通す工夫がいっぱいです。「ちょっとでもすき間があればとにかく棚をつくってとオーダーした」とOさんが言うように、オープン棚が多く、何かと重宝しているそう。
また、カウンターテーブルはダイニングテーブルとしても使うことができ、パソコン作業などもできるよう広めに設計しました。
水色のドアの向こうが寝室&クローゼット。キッチンから寝室にアクセスするという珍しい間取りです。
コンロ横の柱にあしらったレンガは、リビングの奥の柱にも貼ってポイントにしました。壁に飾られているのは、Oさんの父親が描いたという横浜の絵。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
40代女性
▼リノベを選んだ理由
「自分の自由になる家を持ちたい」と考え、住宅ローンを組むめどが立ったのを機に、リノベ前提で物件を購入。マンション特有の圧迫感が苦手だったので、通風と採光にこだわり、広々と開放的な空間を希望した。
▼住宅の面積やコスト
53.86㎡(1LDK)、工事費 1000万円(税・設計料込み)
小上がりのテーマカラーは日本らしい「紺」
小上がりから見たリビングとキッチン。「キッチンから部屋全体が見渡せるように」というオーダーどおり、キッチンを中心とした開放的な空間です。
小上がりは左手の大型収納に加えて畳の下も全面収納に。天井は、はがしてみたところきれいだったのでコンクリート躯体現しとしましたが、個性があって気に入っているそう。
絵画が映える「赤」を寝室のテーマカラーに
寝室のテーマカラーは赤。アフリカの作家による絵画がよく映えます。寝室の奥は、オープンなクローゼットに。洋服類はすべてここに収納しています。
光を入れたい、と壁の上部を開け、すりガラスの入った建具を採用し、密閉された空間にならないように工夫しています。
洗面とトイレは同空間に。ホテルライクなサニタリー
洗面とトイレがひとつながりになったホテルのようなサニタリー。フロアタイルや壁紙の色、タイルや引き出しの取っ手など、細部まで何度も意見を出し合い、こだわって選びました。
途上国に向けた国際支援事業などを行うNPO法人の代表でもあるOさん。廊下の幅を広く取ってデスクを造り付け、対面には大容量の棚を設けてゆったりとしたワークスペースにしました。
フロアタイルを貼った玄関は、より広く見えるよう框を斜めに。カーテン内部は広めのシューズクロゼットになっています。「1ミリも無駄をつくりたくない」という考えのOさん。ちょっとした空きスペースがあればニッチや収納にしたり、棚を設けたりと、そのつど要望を出したおかげで家じゅうがスッキリ、収納スペースにもまだまだ余裕があります。
仕事柄、海外出張も多いOさん。お土産で買ってきては置く場所がなく、しまい込んでいた雑貨をやっと飾れるようになったそう。「思いがけずいい感じのお店を発見したり、駅からの帰り道も楽しい」と、新生活を満喫しています。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
※情報は「リライフプラス vol.35」掲載時のものです。
設計・施工/リノデュース 撮影/水谷綾子