58㎡の中古マンションをリノベーションしたSさん。コックピットのようなキッチンには使い勝手の良さそうな調理器具が整然と並びます。念願だったというドイツのキッチン機器メーカー・ガゲナウのバーベキューグリルも採用。リビングの一角には仕事がはかどりそうなワークスペースも!将来の家族の変化にも対応できる、快適な空間が生まれました。
すべての画像を見る(全13枚)ガゲナウのバーベキューグリルで焼肉を楽しむことも!
20代半ばからリノベーションに興味がありつつも、資金面でかなわなかったというSさん。30代半ば、転職のためにまとまった退職金が入ったタイミングでリノベーションを決意。
長年待ち望んだリノベーションでは、念願だったというガゲナウのバーベキューグリルも採用。写真左手のグリルには遠赤外線効果で素材のうまみを引き出す溶岩石が使われています。キッチンに椅子を持ち込み、焼肉を楽しむこともあるとか。
転職したばかりで忙しい毎日のなか、このキッチンで料理をする時間がSさんのリフレッシュタイムになっています。
シミュレーションの結果、こだわりのリノベを実現させるためには1000万円程度が必要だと考え、そこから物件価格を試算したというSさん。複数の素材を組み合わせた「異素材ミックス」をコンセプトにリノベーションを進めました。
キッチンの天井と壁は躯体現し、ワークトップはステンレス、収納の面材やカウンターは木、床はタイル、LDK入り口に大きなガラス…どれもが絶妙に調和する、シンプルでニュートラルな空間に仕上げています。
料理好きなSさんは、奥まった位置にあったキッチンを開放感のあるベランダ側に移動して、アイランドタイプに変更しました。ゾーニング変更によって、キッチンはリビングダイニングから一段高い位置に。カウンターに座るゲストと会話をしたり、正面にあるテレビを見るのにちょうどよいそう。
造作キッチンのワークトップはステンレス。奥の食器棚も含め、面材には木を使用しました。キッチン背面のコンクリート壁には本格的な調理道具が並びます。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
本人38歳
▼リノベを選んだ理由
20代半ばからリノベーションに興味があったが、資金面でかなわず。30代になってキャリアアップの際に、まとまった退職金を頭金にして、長年思い描いた様々な素材がミックスされた空間の実現が叶った。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/58.00㎡(2LDK)、工事費970万円(税込み、設計料別)
リビングの一角にワークスペースを。ガラスで仕切ることで明るく
リビングと廊下にはナチュラルな風合いのオーク複合タイプのフローリングを採用。リビングのローテーブルは、祖父の家の取り壊しの際に出た古材でつくったものだそう。新旧が自然に溶け合っています。
自宅での仕事もあるというSさん。リビングの一角にはワークスペースも設けました。
その横にある廊下とLDKを仕切る壁は、すべてガラスに。空間が廊下までつながっているようにも見え、視覚的に広く感じられる効果があります。
ガラスドアのおかげで、暗くなりがちな廊下と玄関にも自然光が届くように。玄関土間はタイルからモルタルに変更し、もともと持っていたIKEAのスチール棚を下駄箱として利用しました。
また、廊下には広々とした洗面スペースが。以前は脱衣室と一緒でしたが、ゆったりと使え、トイレのあとに利用しやすいようにと、廊下へ移動しました。グレーの塗装壁は、廊下の先にあるLDKの躯体現しの天井とも調和しています。
寝室とフリースペースは内装のみ変更し、シンプルに
寝室は内装のみ変更し、シンプルな白いクロスに。
現在は収納として使っているフリースペースも、内装のみ変更をしてシンプルに仕上げました。将来家族が増えた際には居室にすることもできます。「キャリアアップのタイミングでリノベが実現できてよかった。仕事のモチベーションもアップしそうです」(Sさん)
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
※情報は「リライフプラスvol.33」取材時のものです
設計/moyadesign一級建築士事務所 撮影/水谷綾子