妻の実家の近くで、築浅のマンションを購入したKさん夫妻。リビングで過ごすことが多い自分たちの生活スタイルに合わせて、4LDKだった間取りを1LDK+ウォークインクロゼットに変更。個室を減らし、LDKをできる限り広く取りました。キッチン天井の1段下がったところは、あえて木目にして空間のアクセントとしています。
すべての画像を見る(全16枚)共働きの家事がラクになる住まいをリノベで実現
「以前の住まいは、家事動線が長くて」と振り返る妻。キッチンとサニタリーの間に廊下があり、洗濯や掃除のたびに行ったり来たり。日々不便を感じていました。「リノベーションによって、家事がラクな住まいをかなえたい」と思いは膨らでいきました。
Kさん夫妻がリノベを依頼したのは、雑誌で目にし、デザイン性に優れた内装やオーダーキッチンが気になっていたリノベーション会社・アネストワン。
オーダーキッチンはもちろん、家具や建具もオーダーメイドでふたりの希望を形に。将来の暮らしを考え、妥協できないポイントの一つだったバリアフリーも、床の段差を極力なくすなど、しっかりと実現してくれました。
キッチン内側は、LDから洗面、ウォークインクロゼットに抜ける動線になるため、大人2人がゆったりとすれ違える幅に。バリアフリーも実現でき、将来も安心です。
キッチン背面のキャビネットは、配膳などを行う作業台として利用。お気に入りの器や道具も飾りたかったので、炊飯器や電子レンジは、リビングからは目立たない冷蔵庫奥に配置しました。
壁掛けテレビを設置するために、リビングの壁の位置を少し室内側にずらしました。壁の裏側に配線を隠せるので、空間をすっきりと保てます。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
30~40代夫婦
▼家を建てた理由
以前の住まいは家事動線が長く、日々不便を感じていた。妻の実家の近くへ住み替えを考え始めたのを機に、リノベーションによって、家事がラクな住まいをかなえたいと思った。
▼住宅の面積やコスト
85.04㎡(1LDK+ウォークインクロゼット)、物件価格 2580万円、工事費 1300万円(税・設計料込み)
キッチンから洗面、ウォークインクロゼットまで一直線
妻のいちばんのお気に入りは、キッチンから洗面、ウォークインクロゼットまで、ひとつながりとなった家事動線。共働きのKさん夫妻は、今回の住み替えを機に洗濯物は室内干しに。その作業の流れに合わせた動線により、家事が格段にラクになりました。「出かける準備や帰宅後の着替えも、最短距離で完結します」と夫も満足そう。
写真は奥のウォークインクロゼットから、洗面、キッチンを眺めた様子。ウォークインクロゼットには、その時季に着る洋服を収納。部屋干し後、乾いたら畳まずにクローゼットに掛けられるため、時短に。
洗面化粧台は掃除がしやすいよう、あえて扉や引き出しを設けずシンプルに。洗面道具などは、大きな三面鏡の中にすべて収納しています。
洗い終えた洋服は、いったん洗面室のハンガーパイプに吊し、まとまったら奥のウォークインクロゼットへ。除湿しながら干すので、天候や時間帯に関係なく洗濯できます。乾いたらハンガーに掛けたまま、すぐ横のクローゼットに移動。畳む手間や時間も省けます。
下着類は、畳んで棚のボックスに収納しています。
水回りを1か所にまとめて家事負担を軽減
以前のマンションではキッチンと洗面・浴室の間に廊下があり、家事の負担が大きかったと話すKさん夫妻。そこで、住み替えの物件を探す際には、水回りが1か所にまとまっていることも重視しました。
トイレの棚も掃除がしやすいよう、扉などは付けずオープンに。できる限り家事の手間を省くよう配慮されています。また、造作の棚のぶん、奥にスペースを広げ、空間をゆったりと確保しました。
個室を減らし、引き戸でさらに開放感アップ
オーダーメイドの3連の引き戸を開けると、リビングと寝室が一体となりさらに開放感がアップ。「万一、将来夫婦のどちらかが介護が必要になっても、寝室とLDKが隣接しているので、お互いの様子を感じられます」と夫。
バリアフリーを考慮して、3連の引き戸は床にレールのいらない吊り戸を採用しました。
寝室と一体となった奥のマルチスペースには、その季節に使用しない衣類を収納。
ウォークインクロゼットからは、最短距離で玄関に。
夫の希望により、玄関はゆったりとした広さを確保。愛犬用のキャリーなど、高さのあるものも収納できる造作の靴箱を備えています。
開放的なリビングで、愛犬のこむぎちゃんと過ごすKさん夫妻。共働きで平日は外出が多いぶん、休日は家でゆったりと。「カフェよりも、わが家がいちばんリラックスできます」と妻。
普段は、寝室との間にある引き戸も開け放ち、リビングから奥のマルチスペースまで、ゆったりと活用。そんな開放的な空間を心地よい風が通り抜け、こむぎちゃんがうれしそうに走り回っています。
※情報は「リライフプラス vol.35」掲載時のものです。
設計・施工/アネストワン
撮影/飯貝拓司