都内の賃貸住宅暮らしだったSさん一家は、長男の幼稚園入園を控え、また住宅ローンを組むならそろそろと、持ち家を計画。妻はインテリアに興味があり、自分たち仕様にしやすい中古マンションのリノベーションを選びました。リノベの設計・施工は、物件探しからワンストップでサービスを行うスタイル工房に依頼。「最初にオフィスを訪問した際、不動産担当者と設計担当者が同席。物件と設計内容、そして総予算をまとめて相談しやすく、リノベで可能なこと・不可能なことも事前に分かり、安心して購入できました」と夫妻は振り返ります。
すべての画像を見る(全19枚)3面がバルコニーに接する広々LDK
購入したのは、築19年になる3面がバルコニーに接する専有面積約89平米の物件。期待以上の広さを得て、工事費 1050万円(税別、設計料込み)をかけて、やりたいことはおおむね実現できたとSさん。
セミオープンだったキッチンの向きを変え、リビングがよく見えるようにリノベ。キッチン背面に窓があるため、家電収納は高さを抑えて採光をキープしました。
南北間の奥行きを生かしてゆったりと広がるLDK。幅広の無垢フローリングが、広い空間にマッチしています。
快適動線ですっきり、使い勝手のいいパントリー
キッチン通路の延長線上に、使い勝手のいいパントリーを設けました。手持ちの食器棚もすっぽり収まり、タイル貼りの間仕切り壁で丸見えにならないのも高ポイント。
キッチン脇の広い壁面を生かして棚を造作。パントリーはアーチ壁で仕切られ、リビングから丸見えにならないよう工夫しました。手前のカフェコーナー下には、よく使うバッグや書類を収納しています。
棚板の奥行きは約30㎝ながら幅を持たせて容量を確保。「定番品は見えるように収納し、少なくなったら買いに行くようにしています」(妻)。深すぎないほどほどの奥行きが奏功し、食品の管理が行き届いているようです。
オープンキッチンの上部を有効活用し、圧迫感のない吊り戸棚を設置。ワイングラスはグラスハンガーでスマートに収めています。カウンター下のニッチな棚は、写真を飾って楽しむのにもピッタリ。
キッチンからも目が届く、室内窓つきのキッズスペース
リビング隣の和室を撤去し、その空間をキッズスペースとWICに振り分けました。室内窓つきの間仕切りでリビングダイニングとつながるキッズスペースは、キッチンからも目が届き、さらに廊下側からも出入りできて便利!
長男はキッズスペースを自分の場所と理解し、プラレールなどのおもちゃを広げるのも片付けるのもココ、と習慣にしているそう。いずれはここに長いカウンターデスクを設け、父子兼用のワークスペースにする計画。「書類や本が増えると思うので、書棚をできるだけ多くつけてもらいました」(夫)
キッズスペースから見たリビング。出入り口と室内窓を通じ、東と南の窓から明るい光が届きます。室内窓の上部は押し出し窓で、エアコンの効きも良好。この位置からテレビも楽しめます。
裏側を板で補強し、テレビを壁掛けに。すぐ上のオープン棚にDVDを並べ、取り出しやすくしました。テレビ背面の壁の塗装色は、画面がくっきりと引き立つよう、ダークな色を選択。
リビングの収納は、内部を可動棚に。いちばん下はよく使う掃除機を入れるために高さを確保しました。「子どもの食べこぼしもすぐキレイにできるよう、掃除機はココが定位置です」(妻)
必要な場所に最適な収納を設けて快適に!
和室だった空間の半分を、夫婦共用のWICに変更。廊下からも隣の寝室からもアクセスできる2ウェイ仕様としました。WIC内は見やすく使いやすいよう、コの字型に収納ユニットを配して、無印良品の収納ケースも活用しています。
寝室は玄関に入ってすぐ右手の部屋で、WICも隣接しているため、動線がスムーズ。正面の壁はグレーのクロスでシックな雰囲気に。床はカーペット敷きにしたことでコストの調整にも役立っています。
洗面台は造作。シンク下がオープンで、長男用のステップや体重計を収納しています。
洗面台の背面に設けた洗濯コーナー。洗濯機の上に棚板をつけ、奥の収納棚も棚板を付け替えて、見た目も使い勝手もリフレッシュ。
もともとあった白い吊り戸棚の扉部分を取り外し、出し入れのしやすいオープン棚に変更しました。さらに黒いペイントを施してイメージを一新。カゴをうまく取り入れて使いやすく工夫しています。
既存では土間の右側にあった玄関収納を撤去し、左側にオープン棚を設置。壁面を奥の収納棚と合わせ、さらに扉も省略することで広々とさせました。湿気がこもらず靴の出し入れもラクラク!
洋室とトイレのドアは、既存のドアに塗装を施してイメージチェンジに成功。グレーがトイレ、白が洋室。長い廊下はLDと同じ幅広の無垢材フローリングを採用し、居室との一体感を図っています。
「基本的に日々の片付けがラクになるような間取りにしたかった」と妻。用途別にメリハリをつけた収納を設けて、快適な暮らしを手に入れることができました。
設計・施工/スタイル工房
撮影/飯貝拓司
※情報は「リライフプラス vol.35」掲載時のものです。