愛犬のすももの暮らしやすさを考えて新たな住まいづくりをスタートさせたSさん夫妻。妻の両親が住んでいて、妻の実家でもあった東京都江東区に建つ築36年のマンションの一室をリノベーションすることを決意します。リノベのパートナーには、夫妻と価値観や好みが合う友人が以前にリノベを依頼したnu(エヌ・ユー)リノベーションを選び、工事費2090万円(税込み、設計料別)をかけて夫妻もペットも暮らしやすい空間を創り上げました。
すべての画像を見る(全17枚)キッチンがガラスに囲まれた、愛犬ファーストなLDK
愛犬のすももはフラットコーテッドレトリバー。ひとりで留守番をすることも多いすももが、安全に、安心して暮らせるように、という想いがリノベーションのベースでした。
リビングの床材は滑りにくいペット用のタイルにしたほか、収納や配線にもひと工夫。すももの安全面を考えて床に何も置かないで済むよう、収納力のあるテレビボードを造作し、テレビなどの配線もすべて隠しています。
また、右側のダイニングキッチンは、「すももがキッチンに入ることで誤食や誤飲をしないように」と配慮してガラス入りパーティションで仕切りました。木を塗装してフレームにすることも考えましたが、せっかくなのでスタイリッシュに仕上がるスチールを採用。
予算は大幅アップになりましたが、見た目も質感も満足の仕上がりに。
リビングの一角には北欧アイテムをセンス良くディスプレイ。夫妻で少しずつ集めたリサ・ラーソンのオブジェなどが並びます。
リビングの窓側にはすもも用のスペースを設け、ロイズ・アンティークスで購入した華奢なフォルムの椅子をアクセントに。妻のリクエストで、陽当たりのいい窓際に室内用物干しバーを設置しました。
窓側から見たリビング。寝室の室内窓やリビング扉にもガラスを用いているため、視線が奥まで抜けていきます。
ダイニングキッチンの仕切りはすももが飛び越えられないギリギリの高さに。
夫妻で料理を楽しめるⅡ型キッチン
キッチンはふたりで並んでもゆとりある広さを希望しました。作業スペースが広く、釣りが趣味の夫が持ち込んだ大きなブリなどもさばけます。
「天板上には何も置きたくない」(妻)とのことで、食器は引き出しに、よく使うものはオープン棚に収納できるようデザインしました。
キッチンの奥にあるパントリーには、鍋や調理器具がずらりと並びます。扉はつけずオープン棚のみにしたので、よく使うものがワンアクションで取り出せて便利。
ダイニングはヘリンボーン張りのオーク無垢フローリング、キッチンはタイル貼りと、床材でゾーニングをしました。
寝室横に水回りを配置して、生活動線をスムーズに
寝室には夫唯一の希望だったという大きな室内窓を設置。LDKのやわらかい日差しが奥まで届きます。
寝室のすぐ横、廊下に配置した洗面スペースは、いつも目に入る分、意識が高まってきれいに保てるといいます。また、オープンなのでゲストが気軽に使えるのもメリット。
洗面スペースの横にはトイレを配置。壁をブルーグレーに塗装したトイレは、すぐ隣に洗面スペースがあるため手洗い器が不要で、ミニマルな空間にできました。
玄関まわりは収納を充実させて
ゆったりした玄関土間のシューズクローゼットには、夫妻お気に入りの靴が美しく並びます。「いつか運命のベンチと出会えたら、ここに置いて座りながら靴選びをしたい」と夫。
カーテンの奥には釣り道具など、夫の私物をまとめて収納しています。
夫妻揃って靴好きなので玄関まわりは収納が豊富。シーズンオフのものは扉付きの靴箱に収納しています。
玄関横にはカーテンで仕切った脱衣所があります。洗面スペースは廊下に配置しているので、洗濯機置き場と浴室のみでスッキリ。
よく使うトイレや洗面はリビング扉の向こう側、そして扉の左手前にはウォークインクロゼットを配置し、扉で生活空間を仕切っています。
リビング扉があることによって、すももが入ってこられないようになっているため、ウォークインクロゼットは通気性の良いオープン収納にすることができました。寝室と離れて独立していますが、これもすももファーストであるS邸こだわりの間取りです。
デザイン打ち合わせが毎回とても楽しかったというSさん夫妻。
「スケルトンからのリノベでしたが、好みや暮らしを理解してもらったうえで、おすすめのインテリアショップやサイトも教えていただけて、スムーズにプランニングができました」と妻は話します。
自分の「好き」を形にできるリノベーションで、日々の暮らしはぐんと豊かになったようです。
設計・施工 un(エヌ・ユー)リノベーション
撮影 山田耕司
※情報は「リライフプラス vol.33」掲載時のものです。