週の半分くらいは職場に泊まり込みだというIさんが家づくりを始めたのは、「そことは別に、音楽や料理を満喫できる自分だけの場所が欲しい」という思いから。賃貸と購入のどちらも想定していましたが、リノベーションなら自分のイメージを実現できると直感し、すぐに数社のリノベ会社に資料請求をしました。その中から、好みにピッタリの提案をしてくれて信頼感が高かった会社「リノデュース」を選び、物件探しから依頼。駅近で管理体制も行き届いた、練馬区に建つ築18年の物件を2650万円で購入し、工事費750万円(税・設計料込み、施主支給品は別途)で”三軒茶屋にあるバルのような家”を実現させました。
すべての画像を見る(全11枚)ダイニングスペースを省略してゆとりあるリビングに
職場へのアクセスが抜群で、立地もパーフェクトだったという物件ですが、欲を言えばもう少し広さが欲しかったというIさん。ですが、間取りや内装を工夫することで十分にクリアでき、広々としたリビングでは友人をたくさん呼んでパーティをすることもあるのだそう。
二面採光のリビングにはたっぷりと日差しが入ります。ダイニングテーブルを置かないことで、ゆったりと家具が配置できて余白のある空間に。ジャーナルスタンダードファニチャーのソファをはじめ、好きなテイストの家具や雑貨でコーディネートしました。
タモ材のキッチンカウンターは高さの調整ができる仕様。食事はこのカウンターでとるため、ダイニングテーブルを置く必要がなく、その分リビングをゆったりと使えています。また、リビング側とキッチンカウンターをネイビーで塗装したのが一番のこだわり。
ですが、プランニングの際は、ネイビーに塗装することで圧迫感が出ることや部屋全体が青みを帯びて見えることを懸念したデザイナーと意見が割れたと言います。それでも譲れず、最終的には自分の好みを貫き、ブリック張りの柱とうまく調和させて納得の仕上がりになりました。
キッチン横の柱に取り付けたライトは、目黒通りのアンティークショップ「Point No39」で購入したもの。この家に合わせて、自らアイアンの質感を出せる塗料で黒くペイントしました。空間の雰囲気を切り替えるのにひと役買っています。
料理が得意なIさん。キッチンは数人でも使いやすいように、通路幅をゆったりと確保しました。また、オープン棚の先には、食材をたっぷり収納できるパントリーも新設しています。
ガラス入りドアですべての空間に光を
玄関にあった既存の下駄箱は撤去して、室内の雰囲気に合わせた収納を新設しました。室内ドアから光が届き、明るい玄関に。
LIXIL「ラシッサ」のドアは、ガラス面積が大きく、開放的な印象をもたらしてくれます。リビングまで視線が抜けるため、LDKの光を玄関に届けるだけでなく、広く見せる効果も。
キッチンとサニタリー以外の床はアメリカ製の木目調フロアタイルで統一。LDKから一直線に伸びる廊下のおかげで、空間が広く感じられます。メンテナンスがしやすく、価格が手ごろなこともフロアタイルのメリットです。
寝室・WIC・サニタリーを1か所に集約
玄関のすぐ横には廊下からひとつながりの寝室があります。その一角にはウォークインクロゼットを設置。さらにその隣には洗面と洗濯機置き場、バスルームが配置されているホテルのような空間に。
プライベートな機能を集約することで、スペースに無駄がないだけでなく、LDKに生活感が出にくく、また、身支度や入浴の動線が最短で済むので時間の節約にもつながります。
洗面台の下にはオープンにして脱衣かごを置くスペースに。toolboxで購入した、壁に直付けできるレセップ照明でインダストリアルな雰囲気をプラスしました。
トイレの床はランプ型タイルをモチーフにしたクッションフロアで個性的に。サニタリーは寝室に隣接させましたが、トイレは廊下側に設置したので、寝室まで音が響かず快適に過ごせるのだそう。
「カフェなどに出かけるよりも、温かい日差しが入るこのリビングで音楽を聴いている方が快適ですね」と満足そうに話してくれたIさんでした。
設計・施工 リノデュース
撮影/山田耕司
※情報は「リライフプラス vol.31」掲載時のものです。