Fさん夫妻は賃貸マンションに住んでいましたが、仕事の関係で夫婦揃って住めない時期などもあったそう。そのためどうせ家賃を払うならば「家を買ったほうがよいのでは」と考えるようになったといいます。夫妻はもともと中古物件×リノベーションに興味があり、ウェブサイトで見た施工実例が自分たちのイメージと合うと感じていたEcoDecoに相談しました。EcoDecoには、物件探しからワンストップで依頼。物件購入後、夫妻は工事費 1300万円(税・設計料込み、施主支給含む)をかけて機能性を重視したリノベを行いました。

LDK
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目次:

床はすべてモルタルだから掃除もラク!寝室はバックヤードのような空間に

床はすべてモルタルだから掃除もラク!

キッチン

購入したのは東京都渋谷区にある眺めのよいヴィンテージマンション。57.48㎡の空間は、大きくLDKと寝室の2つに分かれています。

玄関近くはキッチンで、PS(パイプスペース)の凸凹をうまく生かしてL 型に。レンジ側の裏手にできたデッドスペースには、設計の關恭子さんのアイデアで引き出し式の収納を設けました。

キッチン

キッチンには夫のこだわりから、ローストチキンもつくれる大型ガスレンジをビルトイン。高火力のガスコンロや、ファンの汚れがトレーに回収されるレンジフードなど、高い機能が目を引きます。
スペースの有効利用のためキッチン下部は造作し、上部には利便性が高い業務用収納を採用しました。

リビング

ベランダ側はリビングとして使用。写真右手は玄関近くに設置したミラーです。

リビングには小上がりを希望していましたが、ハイスペックな設備を採用したキッチンなどとのコストバランスを考え、ゲスト用に購入する予定のベッドで代用することに。壁の塗装もDIYしました。
「このときの見直しが、より洗練されたプランになるきっかけになりました」と妻。

LDK

「ふたりともものづくりが好きなので、汚れても掃除しやすいように」(夫妻)と床は既存フローリングを取り除いてモルタル仕上げにしました。
夫妻にとってLDKはくつろぎの場であり、アトリエであり、ときにはDIYの作業場にもなる機能的なスペースとして捉えています。

収納

躯体現しの天井の懸垂棒を使えば、LDKはトレーニング場にも。

造作で設けた収納は、すべてオープン棚になっています。どこに何が入っているかひと目で分かり、湿気などもこもりにくいのが気に入っているそう。

リビング

テレビはPSなどがあって壊せなかった壁に固定。テレビ下のモルタルはトイレの配管を通すためにつくったものですが、テレビ回りに置きたい物の定位置として重宝しています。

寝室はバックヤードのような空間に

通路

LDKと寝室の間は引き込み戸にすることで、保温時や来客時以外は空間を気軽に一体化できるようにしています。

トイレ

トイレはテレビ裏手にある構造壁に沿って配置。壊せない空間の凹凸を自然な形で利用しています。洗面室とは離れて
いるため手洗い器を設置しました。

寝室

寝室はゲストが入らない場所であり、バックヤード的なスペースも兼ねると位置づけて、クローゼット部分には仕切りを設けませんでした。コスト面の配慮もあったそうですが「広く見えるし、結果的によかったです」(妻)。

寝室

オープン棚には収納ケースを収めるなど、必要に応じアレンジして使用。右正面の引き戸を開ければ、洗面室と浴室になっています。

洗面

配管の関係で洗面室入り口には段差ができたため、引き出し式のステップを設置しました。
浴室は在来工法。手入れがしやすく高級感のあるホーローの浴槽を選び、壁をサブウェイタイルで仕上げました。洗面ボウルは幅が広いタイプとし、夫妻が並んで使えるよう配慮。

「景色がいいし、家のどこにいても過ごしやすい。極力、家にいたいと思うようになりました」とFさん。新居は忙しい夫妻のオアシスのような場所になったようです。

プロデュース・設計 EcoDeco
撮影/飯貝拓司
※情報は「リライフプラスvol.34」取材時のものです