仕事の関係で大阪から都内へ拠点を移したYさん夫妻。賃貸が手狭になったことをきっかけに、住まい探しをスタート。新築のツルンとした内装が好みではなく、インテリアにこだわりがあったことからリノベーションありきで中古マンション購入を検討していたそう。リノベーションは、物件探しから設計・施工、インテリアコーディネートまでトータルでお願いできるnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼。日当りの良さを第一条件に物件探しをすすめ、目黒区にある築38年、78㎡のマンションを購入したYさん夫妻。2面採光ならではの明るく開放的な一室を、工事費970万円で理想の住まいにリノベーションしました。
すべての画像を見る(全14枚)2種類の床材でLDKをゾーニング
ワンルームのLDKを、2種類の床材で緩やかにゾーニングしたY邸。
リビングはあたたかみのあるオークフローリングを用い、ダイニングキッチンは硬質なモールテックスで仕上げました。
「モールテックスのDKは調理や食事を楽しむ少しだけアクティブな場であり、フローリングのリビングはスリッパを脱いで床座でくつろぐ場。同じ空間でも過ごし方や気持ちが自然に変化して、家で過ごすことが楽しく、心地よく感じられるようになりました」とコメントしている通り、隣り合う空間でありながら、質の異なる素材で空間を分けることは、Yさんご夫婦ならではの趣味とライフスタイルを見事に表現しています。
DKからリビングを眺めると、シフォンのカーテンからやわらかな光が注ぎ込み、温もりを感じられます。オークフローリングにヴィンテージのローテーブルや、丸いガラスランプを組み合わせ、Yさん夫妻の世界観がセンス良く表現されています。
リビングの一部の壁はご主人の本棚に。手前には「フュージング」 というガラス細工や、既製の服を自分 好みにアレンジするなど、多彩な趣味を持つ奥様のワークスペースを配置しています。
シフォンで隠すクロゼット
ダイニングテーブルのサイドには奥様のクローゼットを設置したY邸。ふんわりとしたシフォン生地を目隠しにして、一見するとクロゼットとは分からない工夫がとってもオシャレ!
クロゼットの中の一部は桐ダンスがぴったりと収まるサイズに設定し、趣味の着物や帯を収納。棚の高さが浅いので、靴下などの収納にもぴったりなんだそう。
「調理関係のモノはすぐに手にできるように、機能性を重視しました」と奥様。キッチンは食器も調理器具も全て飾って見せるオープンスタイルを取っています。
コンロ下にはおしゃれなホットプレート「プリンセス」専用の収納スペースや、保存容器のサイズに合わせた引き出しを確保!
無駄のない機能的なキッチンはⅡ列型を採用。アイランド型のカウンターは床と同素材のモールテックスで造作。シンク側は業務用キッチンを採用しています。食器洗いと食材洗いを使い分けできるダブルシンクがとっても便利!
コストダウン対策も抜かりなく
寝室に配置したシフォンで隠すクロゼット(写真右手)は、ご主人専用。
手持ちのジャケットやクリーニング店のハンガーサイズに合わせたジャストフィットな収納は文句なしの使い心地!ヘッドボードの後ろに見えるオープンクロゼットは、なんと廊下側からも使える2WAYタイプ。背板がないため通気性も良く、物干しにも使えるそう。
玄関土間にはシューズクローゼットを配置。扉を付けずにオープンにすることでコストダウンを実現しました。見せるクローゼットは、その日の気分に合わせた靴をすぐに選ぶことができるので、1日のスタートもスムーズになるそう。
サニタリーは既存を活用し、こちらもコストダウンに成功。壁と天井をオリーブグリーンのクロスに変更することでイメージを一新!アンティーク感漂う空間となっています。
廊下からダイニングへ繋がる床はフラットに仕上げることでラフな表情に。仕切りの少ないオープンな間取りは、愛犬の曇天(どんてん)ちゃんも自由に走り回れるように、という配慮も反映されています。
見せる収納と隠す収納のバランスが絶妙なY邸。クローゼットを扉ではなくシフォンで覆うことで、空間を緩やかに仕切り、心地よい住まいを実現されていました。
設計・施工/nuリノベーション
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.32」取材時のものです。