賃貸マンションの家賃が高く、「もっと安い部屋に移ろうか」と情報収集している際にリノベーションに興味を持ったという、東京都小平市にお住まいの梅原さんご夫妻。ご夫妻が好きな玉川上水や小金井公園にもアクセスのよい、築24年61㎡の中古マンションを選び、設計はデザインライフ設計室に依頼。インテリアを考えることが好きなご夫妻は”自分たちらしさ”を追求した住まいを工事費1,200万円で手に入れました。
すべての画像を見る(全12枚)隠す収納でスッキリなリビング
梅原邸の印象はとにかくスッキリ。その理由は、「飾る収納より隠す収納」を望んだことにあります。例えばダイニングから小上がりに続く壁面をフル活用し、壁面収納を設置しています。
扉付きなのでこまごましたものを入れても安心。さらに、小上がりの段差部分も収納スペースにしています。
「子どもが生まれたばかりなので、段差の引き出し収納は特に重宝。赤ちゃんを抱っこしながら紙おむつなどをサッと取り出せるし、容量もあって助かります」と妻。
ご家族が何かとここに腰かけて過ごすことが多いという小上がりスペースは、段差の位置にロールスクリーンが仕込んであり個室化することもできるそう。「畳の小上がりは昼寝に便利。出産後、妻の親が手伝いに何日も泊まってくれたときなどに客間として使え、とても重宝しました」とご主人。
さらに床板は一部取り外しが可能で、壁面のカウンターに向かって腰かけられる便利な仕様になっています。ところどころに居場所があって、ご家族が楽しく過ごされているのが伝わってきます。
移動する収納が便利な書斎
梅原邸の玄関に繋がる広い土間は2つの収納家具を間仕切り替わりに置くことで、西半分を書斎にしています。
収納家具はキャスター付きなので、レイアウト変更もスムーズ。さらに、ロールスクリーンの扉にしているのでオシャレかつ、開閉のしやすさも抜群。掃除もしやすいので妻も大助かりです!
通路と面位置を合わせて設置した書斎の作り付け書棚は、天井までの高さがあり、収納力はお墨付き。スライド式の扉を閉めればスッキリ!な印象なのも安心ですね。
クロゼットやバスルームまである通路
梅原邸の住まいは、玄関土間からLD方向に2つの通路を設置しています。この通路、いったい何があるのでしょうか?
空間中央の通路には、トイレとクロゼットを配置しています。クロゼット扉の内側を姿見になっており、直角に開くとWICのように使えてとっても便利!
もう一つの通路には、洗濯機とバスルーム、洗面所を配置しています。洗面の横にはカウンター収納があり、洗濯にまつわる作業を1か所でこなせます。
前右の引き戸を閉めれば、バスルームの通路は脱衣室として活用でき、冷暖房効率もアップ!更に通路兼脱衣室ということで、バスルームの折り戸の前を昼間は白い引き戸で覆い「いかにも水回り」の印象を和らげています。
スッキリでオープンな梅原邸ですが、クロゼット側の扉を閉じることで、LD方向に視線が入らないように工夫されています。「例えば宅配便の人が来たときなども、プライバシーが保てて助かります」と奥様。目隠しにも、部屋にもなる扉は梅原邸の自慢のようです。
寝室は、明るい光の中で自然に目覚めたいとのリクエストで、東側に配置しています。寝室の家具はベッドのみというシンプルさですが、上部の未利用空間にもやはり収納スペースを発見!
隠す収納で、スッキリなリビングを実現し、さらに洗面室やバスルームなどを通路と兼用することで、隅々まで無駄のない梅原邸。アイデア豊富な収納スペースはマネしたくなるものばかりですね。
設計・施工/デザインライフ設計室
撮影/山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.32」取材時のものです