モノに対するこだわりが人一倍強いと自認する熊谷さんは、手持ちの家具や照明を生かすためにリノベーション前提で住まい探しをスタート。アクセス、生活の利便性ともに好条件がそろう、東京都世田谷区の築31年のマンションを購入。会社の同僚が依頼したというリノベーション会社・nu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼し、工事費1300万円(設計料別)をかけてニューヨーク・マンハッタンの「エースホテル」のような、思い描いていた空間をつくり上げました。
すべての画像を見る(全8枚)こだわりの家具が映えるLDK
「新品の美しさより、経年変化で魅力が増してくるアンティークな雰囲気が好きなんです」という熊谷さんが目指したのは、ニューヨーク・マンハッタンの「エースホテル」のような家。
現しにしたコンクリートと黒を組み合わせたシックでトラディショナルな空間にジャンクテイストをプラス。味わい深いインテリアを合わせました。熊谷さんは素材に対するこだわりも強く、木やガラス、石、スチールなど、様々な素材を取り入れたのも特徴的。
フローリングは無垢ピンカド材のヘリンボーン貼りで、ヴィンテージ家具によく似合っています。また、右手のブラインドの先には40平米超えの広いルーフバルコニーがあり、多目的に使っているのだそう。
LDKと隣接した正面の寝室の壁には、ガラスブロックを採用しています。
ガラスブロックの隣には、友人が入居祝いに描いてくれたというペイントがデザインされたガラス入りの扉が。壁一面をガラスブロックにするプランもあったそうですが、「結果的には一列のみにしてよかった」と熊谷さん。
リビングでは、60個の電球でできたイタリア「アッキーレ・カスティリオーニ」デザインのペンダントライトが圧倒的な存在感を放っています。エアコンやテレビボードも黒で統一。そして収納力を備えた造作キッチンは作業しやすいⅡ型で、奥にはパントリーまで備えていて実用的です。
玄関から寝室に抜ける回遊性のある間取り
ゆったりとしたエントランスには、ガラス越しにLDKからの光が届きます。下駄箱は置かずにオープン棚を設置して、ディスプレイ感覚で靴を収納。
エントランスにはウォークインクローゼットにつながる扉があり、ここから寝室までぐるりと回遊できるようになっています。
ウォークインクローゼットを抜けて、LDKに隣接していた寝室へ。「高価でも納得のいく良質もの」を求める熊谷さんが選んだベッドは、かなり以前に購入した「カッシーナ」の黒革張りのクイーンサイズ。
ウォークインクローゼットに加えて、寝室には大型のクローゼットも備えて収納力をしっかり確保しています。
水まわりは黒&こだわりディティールで仕上げ
LDKからアクセスする水まわりも、ドアや浴室の壁などが黒で統一されていて統一感があります。
洗面コーナーとトイレの床は、独特の質感と個性的なデザインで人気の「サブウェイセラミックス」のタイルを採用。イギリス製の水栓金具やアンティークのソープディスペンサーなどを合わせ、熊谷さんのセンスとこだわりが詰まった空間になりました。
お休みの日には友人を招いてホームパーティをすることもあるという熊谷さん。その際はソファやハイチェアがあるLDKを友人との交流サロンのように使うのだそう。ゲストにとっても居心地のいいスペースを作りあげ、日常もオフも楽しんでいます。
設計・施工 nu(エヌ・ユー)リノベーション
撮影 山田耕司
※情報は取材時のものです