「子育てをサポートしてもらいやすいように」と妻の実家近く、埼玉県川口市に、リノベーション前提で中古マンションを購入したWさん夫妻。専有面積63.18平米、築30年(昭和61年築)の物件を1,460万円で購入しました。大胆なリノベーションで自分たち好みの空間を実現しながらも、工事費が900万円(税・設計料込み)に抑えられたのは、前オーナーが行ったリフォームのおかげでもあると言います。
すべての画像を見る(全13枚)便器とユニットバスは既存利用で上手にコストを削減
リノベーションのベースとなるプランを考えたのは、以前、住宅関係の仕事をしていたという夫です。そんな住宅のプロの目から見ても状態がよかったというのが、6年ほど前のリフォーム時に取り換えられた便器とユニットバスでした。ユニットバスにいたっては浴室乾燥機付きで、機能的にも十分だと判断し、この2つは取り換えを行いませんでした。ただ、トイレはドアとクロスを交換し、自分たちらしい雰囲気に作り替えました。
設備面で節約できたため、予算の多くは、こだわりたかった居室部分に充てられました。ゆったりとしたLDKでは、側面にガラスモザイクのタイルをまとったシステムキッチンが目を引きます。
夫が出先で見かけた同様のカウンターに惹かれ、「ぜひ、わが家にも」と思い再現したものです。
リノベーション前の様子
リノベーションは、物件探しからトータルでサポートしてくれる点に魅力を感じたというnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼。ウェブサイトや雑誌に掲載されていた、施工事例のデザインを気に入ってのことです。
間取りは3LDKから1LDKに変更し、LDKドアの位置を玄関側へ移動させるなど、居住スペースが少しでも広くなるように工夫しています。
憧れの北欧テイストやアイランドキッチンをかなえる
床にはオークの無垢材が使われ、空間は全体的にナチュラルな北欧テイストです。ブルーグレーのドアは、夫妻がカフェで見て気に入ったドアを参考に造作したもの。リビング部分には、パーティションのような化粧壁が作られているのも印象的です。
化粧壁の奥は、妻のピアノスペースです。他のインテリアなどとはテイストが異なるため、ピアノを隠すために壁を設けたそうですが、将来はこのスペースを子ども室にする予定です。
化粧壁のリビング側は、夫妻のセンスのよさがうかがえるディスプレースペースにもなっています。
キッチンは、妻が憧れていたというアイランド型に。カウンター収納に扉はありませんが、リビングからは死角になり、使い勝手のよさと空間のすっきり感を両立させています。床には、お手入れがしやすいフロアタイルを選んでいます。
子育て中のママ必見!動線の工夫で家事もラクラク
おしゃれな空間が魅力のW邸ですが、アイランドキッチンを中心に回遊できる動線など、暮らしやすさへの配慮も万全です。
右はパントリーからキッチンを見たところ。パントリー手前の洗濯スペースからキッチンまでは一直線でつながっていて、「洗濯など、家事をしている間も子どもの様子が見やすくていいですよ」と妻。
洗面台は爽やかなブルーのアクセントタイルを使って造作しました。ミラーキャビネットはIKEAのものです。
寝室が多少狭くなってでも収納はたっぷりと!
廊下の壁は隣接する寝室側へ広げ、たっぷりと収納できる下駄箱を造り付けています。上部のすべり出し窓は、開けると寝室に風が通る仕組み。
玄関の土間に使ったアンティークのような色合いと質感のあるタイルは、夫のお気に入りです。
寝室上部の窓は、シンプルな空間のアクセントにもなっています。
寝室の奥には、ウォークインクロゼットがあります。もともとタンスなどは持っておらず、以前の住まいでも押し入れを活用していたため、大容量のクロゼットはマストだと考えていたそうです。
夫妻の間ではDIYが習慣化していて、プランやアイデア出しは夫が、製作は手先が器用な妻が担当することが多いとか。壁のアクセントになっている飾り棚も、実はDIYしたものです。
取材時には長女が生まれたばかりで、「今度はキッズスペースをつくる予定です」と意気込んでいた夫。
リノベーションが済んでも、まだまだわが家への楽しみは尽きない、といった様子でした。
設計 nu(エヌ・ユー)リノベーション
撮影 遠藤宏
※情報は「リライフプラスvol.23」取材時のものです