最近、「首都圏内Uターン」が人気というのをご存知ですか?都心に住んでいた方が、あえて“都心からやや離れた街に家を買う”「首都圏内Uターン」。限りなく埼玉県に近い練馬区にお住まいで、ちょい郊外ライフを満喫中の写真家、幸田森さんのお宅にお邪魔して、その家の魅力と、暮らしやすい工夫に迫ってみたいと思います。
すべての画像を見る(全12枚)23区内の「陸の孤島」!? でも、すっごく住みやすい!
ダイニングからバルコニー方向。右手がスタジオ、左手の和室は撮影時の控え室として使用している。「都会の田舎、という感じがとても気に入っています」と話す、写真家の幸田さん。一家の暮らすマンションは、限りなく埼玉県に近い、練馬区。
「最寄り駅まではおそらく徒歩30分くらい。23区内の陸の孤島としてテレビで紹介されたこともあるエリアです(笑)。
職業柄、クルマでの移動が多く、バスも10分おきに運行しているので、それほど不便は感じません」。
長男の誕生を機に、環境の良い場所を求めて現在のマンションに引っ越したそう。
「このあたりで家を探すつもりで、今の家に賃貸で入居しましたが、あまりに住み心地が良いので、1年ほどかけて不動産業者と交渉し、そのままの状態で安く購入することができました。」
ちょい郊外だからできる、「手を加えながら暮らせる家」
夫婦ふたりとも美大出身で、ギャラリー設営等の経験もあり、手を動かすことが得意。そのため、マンション購入後は、DIYで少しずつ家の中をカスタマイズしているのだとか。
たとえばDKとスタジオを広々と使えるようにと取り外してしまった引き戸は、お手製のレールを作って本棚の裏に収納。
引き戸の方が本棚より背が高いので、隙間を木の板でカバーしているそう。
クローゼットの上のデッドスペースは、大胆にも、カッターで壁をカット!木製のボックスを挿入して収納スペースに。中には、使わなくなったおもちゃなどを収納しています。
壁のカットの仕方は、DIYに詳しい友人やYouTube等で情報を得たのだとか。
ベランダには、ウッドデッキを張り、掃除道具などを掛けられる花台(写真正面)をDIY。「南向きで日当りが良いので、うれしくなるくらい植物がよく育つんです。冬場でも日中は暖房が必要ないくらい」と幸田さん。
家具も工夫しながらDIY。おもちゃを収納するプラスチックケースの幅に合わせて木製の枠をつくり、キャスターをつければ、どんな場所でも簡単に出し入れできるおもちゃ箱に! フレキシブルに使えて便利なアイディアですね。「購入したのは道具類と、写真用のスポットライトやピクチャーレール、ペンキぐらい。
かかった費用は10万円くらいだと思います。何か思いついたらコストを抑えて時間をかけるようにしています。」
6畳ほどの個室は、スタジオに改装して、様々な撮影も。リラックスした雰囲気で撮影できるよう、手づくりにこだわり、木のおもちゃや、公園で集めた木の実やツタで編んだリースを飾るなど「時間をかけてつくり続ける空間を目指しています」と幸田さん。
「すぐそばに大規模な公園があるので、そこで撮影をすることもあります。また、近所にパパ友やママ友も多く、わが家で宴会をすることも。
都心からは少し離れていますが、子育てしやすい環境と、手を加えながら暮らせる家、両方手に入って満足しています。」と話す幸田さん。
“ちょい郊外”だからこそ楽しめる、暮らしの在り方なのかもしれませんね。
【取材協力】
幸田森さんと、5歳の長男、妻の優子さん。優子さんも写真家で
「photo clover」として活動。 赤ちゃんの撮影や、ママのための撮影教室も好評。 撮影/幸田森 ※情報は「リライフプラスvol.17」取材時のものです