家を考える上で、大切なのってやっぱり“収納”ですよね。特に、最近人気なのが「ウォークインクローゼット」や「パントリー」。しかし、さらに動線を意識した「ウォークスルー」タイプが、“目からウロコ”なほどに便利なんです。ウォークスルーを意識したクローゼットとパントリーを持つ秋山さん宅にお邪魔してきました。
全長7mの「歩けるクローゼット」!
すべての画像を見る(全9枚)「ショップのディスプレイのように、服をずらーっと並べたかったんです」と秋山さん。壁の長さを生かした、全長7mにものぼるクローゼットは、ウォーク“イン”クローゼットというよりも「ウォーク“スルー”クローゼット」。
ほとんどの洋服を吊せるので、畳まずに済むうえに、見つけやすく、身支度がパッと整うそう。
こんなに長い距離を取れたのは、キッチンの背後に生まれたスペースを活用したから。奥行きが取れなかったものの、衣装ケースが収まる90cmを確保。家族それぞれにスペースを割り当てられるよう、仕切りを設けています。
また、リビング・ダイニングから寝室や浴室まで通り抜けられるよう“通路”の役割も。移動のついでに脱いだ服を戻せて、部屋が片付きやすくなったとか。これなら、ついつい散らかりがちな洋服もきちんと収納できそう!
パントリーも「ウォークスルー」型に
もちろん、収納のこだわりはこれだけではありません。ウォークスルークローゼットの壁の向こう側にあるのは、キッチンとパントリー。
こちらも、間には仕切り壁を立て、目隠しにしつつ、リビング・ダイニングを通らなくても玄関に出られるよう、出入り口を設置して、“ウォークスルー”型に。共働きで定期的に宅配スーパーを利用するため、パントリーは必須だったのだとか。
冷蔵庫、食品ストック、ミネラルウォーターなど、キッチンでごちゃつくアイテムは、全てパントリーに大集結!
「我が家はオープンキッチンで、玄関から中が丸見えなので。どこかに隠すスペースが欲しかったんです。」と語る秋山さん。廊下に抜ける通路にもなっているので、収納の状態がよく分かり、在庫管理も楽なのだそう!
パントリーとはいえ、重要なインテリアの一部。壁は「楽しげな雰囲気にしたい」と柄クロスになっています。「大好きなフレンチカフェ風。コレクションの白い器が引き立って、気に入っています!」
「部屋」と「収納」を分けて考えよう
一方、リビング・ダイニングはすっきりとした空間に。
木の床と白い壁にブルーグレー、黒を合わせ、大人のフレンチナチュラルがとてもオシャレですよね。この正面の壁の裏が、7mのウォークスルークロゼットというワケ。「キッチンを家の中心に配置したら、背後にデッドスペースが生まれたので、それをウォークスルークローゼットとして活用したんです」と語る秋山さん。
「結婚後、夫の行動をじっくりと観察し、動線を優先した間取りにしました。朝起きて水を飲み、顔を洗い、着替えて出かける。ロスなく動けるよう、寝室、キッチン、トイレ、洗面所、クローゼットを配置したんです。」
“部屋”と“収納”を切り離し、必要なスペースと位置を確保していったからこそ、クローゼットはあえて寝室ではなく、東側の壁際に生まれたスペースに設置。寝室に近く、リビング・ダイニングからもアクセスできるため、着るのも仕舞うのも便利なんですね。
収納といえばウォーク“イン”という考え方から、ウォーク“スルー”にすることで、動線と利便性と最大化させた秋山さん宅。
設計・施工/SHUKEN
撮影/kazashito nakamura
※情報は「リライフプラス」取材時のものです