間取り変更をしなくても、アイデア次第で部屋は個性的に生まれ変わります。子どもの成長に伴い住まいが手狭になり、別の賃貸住宅への住み替えを検討していた中、思いがけず手頃な中古物件を見つけ購入を決めた中山さんご夫妻。「3LDのオーソドックスな間取りでしたが、プライベートでも交流のある建築家の中山陽州さんなら、面白いリノベのアイデアを出してくれると思ってお願いしたんです。」この時のご夫妻の希望は、「本好きの妻のための読書室」と、「将来子ども部屋としても使える、床下収納付きの小部屋」。中山氏は、そんな二人の要望を叶え、見事に期待に応えてくれたそう。果たして、いったいどんな家なのでしょうか?早速、Mさんご夫妻のお家にお邪魔してみましょう!
個性的なインテリアが並ぶリビング
元々リノベを予定していたわけではなかったので、予算はわずか200万円。可能な限り既存のものを活かして、部分リノベを行うことに。
すべての画像を見る(全7枚)2つの和室のスペースを取り込み、LDKを拡張。大きなクッションや素敵なアンティークが並べられ、とても個性的な雰囲気です。
かつて妻が花を扱う仕事をしていたため、リビングのあちこちにドライフラワーが並びます。
戦前、上海に住んでいた祖母が持ち帰ったという巨大なトランク。趣きある家具や道具が多かったことも、リノベの方向性に強く影響したのだそう。
巨大家具その1:中に入れる本棚
中山氏は、和室だった場所を土間にし、“本小屋”と“巨大机”を置くことでご夫妻の願いを叶えました。こちらの本小屋は、「中に入れる本棚」がコンセプト。
小窓もあり、まさに小屋にこもるような感覚でくつろげます。真っ赤な内装も本を並べれば不思議とマッチ。小ぢんまりとした、入るだけでプライベートが確保できるアイデアが素敵ですね。
巨大家具その2:床収納付きの個室
「床下収納付きの小部屋が欲しい」という希望を形にした、2.4m角の巨大な机。勉強机や作業台としてはもちろん、小上がりとしても機能しているそう。
「この上に座って窓の外を眺めているとちょっとした縁側気分」と夫は言います。子どもの遊び場になったり、家族団らんの場所になったり、様々なシーンで活用されている“机の上”。斬新なアイデアなアイデアが光っていますね。いずれもざっくりとしたラワンベニヤで作られており、並べられたアンティークやドライフラワーとの相性もバッチリ。
「ひとつの場所に趣味や遊びの要素が集い、いつも家族が一緒にいられるのがいちばん。」と妻は語ります。
設計:屋根裏設計
施工:植松建設
写真:koji yamada
※情報は「リライフプラス」取材時のものです