カビや水アカが発生しやすい水回りは、小まめに掃除して清潔を保ちたいもの。しかし毎日の掃除は腰や肩が疲れておっくうですよね。
できるだけラクに安全に、そして生活の中にタオル掃除を組み込む方法を教えてくれたのは、羽田空港で清掃員リーダーを務めるカリスマ清掃員の新津春子さんです。
疲れない!体も、ものも傷つけない掃除術
「プロの清掃員は体全体を使って掃除することで、しっかり力を込めてふきつつも、疲れを最小限に抑えるようにしています」と新津さん。
意外に掃除中のケガというものも多いため、安全への配慮も欠かせません。家を傷つけないための下準備も忘れずに。
●手だけでなく体全体を使う
すべての画像を見る(全17枚)脚を肩幅に開いて立ち、右→左へと腕を動かしながら、重心も右足→左足へと移動すると、力が自然に入ります。体の一部だけ力を使うと痛めることも。
「動きやすい服装を選ぶのも大事です」
●腰の高さのものをふく場合
テーブルやチェストなど腰ぐらいの高さのものをふくときは、脚を肩幅に開きましょう。まずは外側に枠をとるようにしてから、内側ををジグザグとふいていきます。
「大きめのテーブルなどは肩幅に合わせて少しずつふきましょう」
●きちんと体を支えながら掃除する
ふいている手だけが床や壁についた状態では、万が一バランスを崩したときに倒れてしまいます。
「常にもう片方の手で安定した場所を押さえるか、つかむようにして安全に配慮を」
●掃除する部分以外は養生する
「たとえば窓掃除なら、洗剤や水が垂れてフローリングに跡がつかないようタオルや新聞紙を敷いておきます」
一見面倒に思えても、あらかじめ汚れを予防した方が効率的な結果に。
●細部をきれいに磨くタオル+歯ブラシ
蛇口のつなぎ目など細部を掃除するとき活躍するのが、歯ブラシにタオルを巻きつけたもの。歯ブラシでかき出した汚れをタオルがふき取ってくれます。
「歯ブラシで直接こすると傷つきやすい部分もタオルを巻けば問題なし」
清潔さを保ちたいトイレのタオル掃除術とは?
4種類のタオルを使い分けるのが、新津さん流。
・水ぶきタオル…基本となる水ぶきタオルは、かたく水気を絞りきってつくる。八つ折りタオルをさらに縦二つ折りして水に濡らし、両手で前後に握って強く絞る
・ゆる水ぶきタオル…水ぶきタオルと同様の絞り方で、絞れば水滴がまだ垂れる程度に水分を残したもの。少量の水分では落としきれないこびりついた汚れなどをふくときに使う
・湿りぶきタオル…乾いたタオルでかたく絞ったタオルを巻き、さらに絞って水分を減らしたものが、湿りぶきタオル。「からぶきで仕上げる手間が省けるのでラクできます」
・からぶきタオル…乾いたまま使用するのが、からぶきタオル。「仕上げぶきに使ったり、水跡を残したくない場所をふいたりします。これだけは必ず綿のタオルを選んで」
(1)ドアノブの回りを湿りぶきタオルでふく
ドアノブとその周辺は皮脂汚れなどがつきやすいので、湿りぶきタオルでしっかり力を込めてふきます。
(2)ペーパーホルダーを湿りぶきする
湿りぶきタオルを手に巻いて、ペーパーホルダーの内外を磨きます。
(3)壁を湿りぶきする
壁を湿りぶきタオルでふきます。
「床から1mの範囲は飛び散った尿などで汚れているので重点的に」
(4)床を湿りぶきする
床を湿りぶきタオルでふきます。
「塩化ビニール製の床は尿で黄色く変化してしまうので小まめに」
(5)便座を湿りぶきする
便座を、便座の表→フタの内側→フタの外側→便座の裏の順番で、湿りぶきタオルでふきます。
【たまにでOK】タンクの水受けを水ぶきする
ホコリのたまりやすいタンクの水受けは、水ぶきタオルでふきます。
「蛇口はからぶきタオルで仕上げるとピカピカに」
水アカや皮脂汚れ…洗面所のタオル掃除術とは?
水アカや髪の毛、皮脂汚れなどがこびりつきがち。洗顔や歯を磨く場所なので清潔にしておきましょう。
(1)ハンドソープを洗面台にかける
皮脂汚れの多いシンクは、洗面所にあるハンドソープや石けんを使って、ゆる水ぶきタオルでふいて。
(2)洗面台や蛇口をゆる水ぶきしたら泡を落とす
ゆる水ぶきタオルでふいたら、水を流しながら泡を落とすようにゆる水ぶきタオルでふき取ります。
(3)湿りぶきタオルで鏡や洗面ボウルをふく
湿りぶきタオルで枠をとり鏡をふいたら、洗面ボウルや蛇口をふきます。
「汚れやすい鏡の下端は、タオルを往復させて何度もふいて」
【たまにでOK】床も湿りぶきタオルでふく
(3)のあとに湿りぶきタオルで、洗面台収納の表面や床をふきます。
「洗面所は湿度が高いので、掃除機よりふき掃除がオススメです」
入浴ついでに掃除したい、浴室のタオル掃除術とは?
(1)全体にシャワーでお湯をかける
入浴後、浴室内にシャワーでお湯を回しかけ、汚れを洗い流します。
「目線から下に汚れがつきやすいので、重点的にお湯をかけましょう」
(2)からぶきタオルで仕上げる
シャワーで汚れを落としたら、からぶきタオルで壁やバスタブの水分をしっかりとふき取ります。