偉大な人を、偉人と呼ぶのであれば、この時代に自分のココロとカラダを大切にし、スマートに生きているひとこそ、現代の偉人。こういうときを逆手にとって、いまだからこそできるアイデアで、スマートに生きていきたい。そんなとき、胃が支えてくれることもあるかも。
さあ、New Normal時代をスマートに生きる、胃人生活を始めましょう。

今回、胃人生活を紹介してくれるのは、芸能人などの著名人のボディメイクをサポートするパーソナルトレーナーの星野由香さん。自身の健康や美容の秘けつ、そして私たちができることのヒントを教えてもらいました。

カリスマトレーナー・星野由香さんが語る心地よいカラダづくりのコツ

星野由香さん
星野由香さん。二児の母でもあります

運動やダイエットを始めたものの、なかなか習慣化しないことに悩み、そして挫折を味わった経験のある方もいると思います。ステイホーム期間中は生活リズムの変化から、ますます運動や普段の生活を整えていくことの大切さが叫ばれています。とはいえ、急に今までの行動を変えていくことは、体だけでなく精神的にも負担が大きいもの。
今回は、『

ほぐピラWORKOUT 「ほぐす」+「ピラティス」がいちばん痩せる!

』(講談社刊)を出版し、メディケアでも話題のパーソナルトレーナー、星野由香さんに、無理しすぎずに心と身体をメンテナンスするコツをうかがいました。

●運動はカラダが心地よく楽になるためにやってほしい

―受けた人が次々と体の変化を感じるという星野さんの「ほぐピラ」メソッド。突起つきローラーで筋肉をほぐすことと、同時に体をピラティスで鍛えることで、小さい動きながら体に着実な変化をもたらしていきます。
いわゆる従来の運動からイメージされる「ボディメイク=体を追い込む」とは異なるケア方法である「ほぐピラ」は、一体どのようにして誕生したのでしょうか。

星野さん

:私はパーソナルトレーナーとして活動をしている中で、常々運動をすることへのハードルの高さに疑問がありました。
運動を始めようと思うと、多くの方が自分で自分のハードルを上げてしまい、無茶なメニューに取り組もうとします。しかし、効果が出ないと思ってしまい、続いていない方も多いと感じています。運動とは本来、カラダが楽になったり心地よくなったりするために行うものです。そして体が心地よければ、自然と運動も継続しようと思いますよね。そんな風に、カラダが気持ち良さを感じられる一歩目となるメソッドを追求する中で、「ほぐピラ」の開発に繋がりました。

―カラダへの心地よさを大事にしているということですが、普段の生活で星野さんが気をつけている点について、教えてください。

星野さん

:私は普段から「波に乗る」という感覚を意識するようにしています。
これはお客様にもよく話すことなのですが、「ぶれない」という感覚を間違ってとらえてしまっている人がとても多いんですね。皆さんぶれないと聞くと、常にどんな状況にも負けないように自分を強く一定にするといったイメージを持つようですが、そうではありません。
ぶれないとは本来、人生や自然環境のリズムや、健康や気持ちの波に乗れることです。この世界には様々な波があり、そもそも「頑張って一定にする」といった生き方は不自然です。
例えば生き物の特性を考えると、夏は活動的になり冬は静かに過ごすのが自然の波に沿った生き方です。変に力まず、今ある波を受け入れ、そして乗るように意識しています。

ほぐピラ

―日々の変化の波を感じながら生きようと思っても、忙しい毎日の中だと、自分の中や周りの波というものに気づけない事もあると思います。どうしたら良いでしょうか?

星野さん

:普段の生活に余白を設けることは、私も意識しています。忙しいと人は、自分や周りの出来事をしっかり感じることができなくなります。「息つく暇もなく」という言葉があるように、私たちは余白がないと呼吸すらもおろそかになってしまいます。
私は二児の母ですが、子育てと仕事で本当に気持ちに余裕がない時はよくあります。そういう時も、なるべく余白を意識する。時間が取れないときは、家族に「5分だけ自分の時間が欲しいんだけど、いつだったら取ってもいいかな?」と、家族全員に聞いて、自分時間を設けたりもします。

●産後は「戻す」ではなく「新しくつくる」でカラダを整え続ける

―パーソナルトレーナーとして人を指導する立場であり、同時に3歳と1歳半のママとして子育てにも向き合っている星野さん。産後は体型変化があったり、家族といることで思うように自分のケアができなかったりすることもあると思います。自分と家族とのバランスを取りながら過ごすために、気をつけていることを教えてください。

星野さん

:産後の体型変化については、そもそも私は「戻す」という概念を持っていません。私たちはこの一瞬一瞬で、常に新しい自分に作り変えられています。だから年齢や出産などで体型が戻らないと考えるのではなく、それらを踏まえて、今できる新しい自分になろうとする姿勢が重要です。
例えば私は出産を経験しているので、骨盤まわりのボディラインには気を使っています。それを「若い頃と比べて、産後っぽくて嫌だな」って落ち込む人もいるかもしれませんが、私は「産後らしくていいな」って思ったりします。
時間軸を戻すのではなく、これまでの経験を活かす方法を見つけて新しく変えるという視点で向き合うと、私たちはいつも変わっていけるし、本当の意味で、自分の体を愛せるのではないでしょうか。

―セルフケアでは、食事も大切な要素だと思います。家族がいると、自分の食べたいものや食べて欲しいものが家族と合わない家庭もあると思います。星野さんの場合、家族の波とはどう向き合い、そして受け入れているのか教えてください。

星野さん

:家族はチームなので、相談し合って決めるということはとても大切にしています。その結果、わが家の食卓は全員違うものを食べていたり、他の人の意見を取り入れ、1品足したりすることも日常茶飯事です。
現在の研究では、カラダの栄養素の使われ方も個人差があるといった話もあります。そう考えると、今必要だと感じる食べ物は全員違って当然です。だから「食卓を合わせる」とか「健康のためにこれを食べたい」といった強いこだわりを持つ必要はないのかなと思っています。
こうした家族の波を受け入れていった結果、わが家の食卓は自由スタイルです。その時々でバランスを取りながら、全員が健やかに過ごせるような生活になっています。

●胃人・星野由香さんにとって胃とは、「身近に話せる臓器」

座っている星野さん

―常にその瞬間の自分や周りを感じ、そしてありのままを受け入れることで柔軟な生き方をしている星野さん。そんな星野さんにとっての“胃”とは?

星野さん

:胃は「身近に話せる臓器」です! 胃って体の臓器の中でも、かなり積極的にコミュニケーションが取れる子です。お腹が空いたらグ〜と鳴りますよね。肝臓や膵臓だとこうはいきません。
また、胃が健康であれば物事をちゃんと消化して、それは巡り巡って新しい物事を生み出すことにも繋がります。普段から自分の胃とはもっと会話をして、気遣っていっていただきたいですよね。