毎日使う食器洗いのスポンジ。見た目や使い心地などから、いろんなアイテムを試しては変えてと迷子になっている人も多いのでは。

インスタグラムで環境に優しくエコに配慮したサスティナブルな暮らしを発信し、国内外で人気を集める野村蘭さんは、数年前に、プラスチックのスポンジから昔ながらの「ヘチマスポンジ」に変えて、食器洗いが変わったそう。その魅力と実力を教えてもらいました。

ヘチマスポンジ断面
天然素材で環境に優しい、昔ながらのヘチマスポンジ。写真はカットしたもの
すべての画像を見る(全7枚)

食器洗いをプラスチックフリーな「ヘチマスポンジ」に変えてみませんか?

ヘチマの実からできた昔ながらの「ヘチマスポンジ」。「ヘチマたわし」とも呼ばれ、洗剤のなかった時代から食器洗い用のスポンジとして使われてきました。ボディ洗いのイメージがある方も多いのではないでしょうか?

天然素材でプラスチックフリーなので、環境にやさしく、海外でも使う人が増えてきています。使ったことがない、うまく使えていないという方に向け、ヘチマスポンジのキッチンでの使い方と活用法をご紹介したいと思います。

●ヘチマスポンジとは?

お皿をヘチマスポンジで洗う様子

ヘチマスポンジは、「ヘチマ」という植物の実の繊維を利用してつくられたスポンジで、デコボコした天然の繊維が油や汚れを取り除いてくれます。

濡らすとやわらかくなり、プラスチックの合成繊維でできた一般的な食器洗いスポンジのような感覚で使えて、油分をはじくのですっきりと洗えます。

●ヘチマスポンジのメリット

【メリットその1】洗剤なしで洗える!

ヘチマスポンジを持つ

天然繊維の働きで、少しぐらいの油汚れなら洗剤無しで汚れを落とすことができます。お湯を使ってヘチマスポンジで洗うと、すっきりきれいに汚れが落ちます。

【メリットその2】しっかり泡立つ!

泡立ったヘチマスポンジ

一般的な食器洗い用のスポンジと同じで、洗剤をつければ泡立ちます。濡らしたヘチマスポンジに洗剤をつけて、よく泡立てます。使い始めは固くて使いづらいかもしれませんが、1週間ほど使うと、なじんで泡立ちもよくなります。

【メリットその3】好きな大きさにカットして使える!

ヘチマは天然の植物なので、形が一定ではありません。細長い状態で販売されているものも多く包丁で好きな大きさにカットして使えるので、自分の手になじみやすく使いやすさも上がります。

【メリットその4】プラスチックフリー!

一般的なプラスチックのキッチンスポンジからは、プラスチックの繊維や目に見えないクズ(マイクロプラスチック)が使うたびに抜けて、そのまま海に流れてしまい、海の汚染の原因になっています。ヘチマスポンジは天然の植物からできているので、その心配はありません。

●ヘチマスポンジはお手入れも簡単。煮沸消毒も可能!

お鍋にスポンジ

使い終わったヘチマスポンジは、水ですすぎ、しっかりと水気を切って乾燥させましょう。

衛生面が気になる場合は、煮沸消毒もできます。プラスチック製の一般的な食器洗い用スポンジは、素材によっては熱で品質が変化してしまうので煮沸消毒ができませんが、ヘチマスポンジは熱に強いので、煮沸消毒も問題なし。

鍋にお湯を沸かし、ヘチマスポンジを入れて、2~3分煮たら消毒完了です。2~3分煮るだけで汚れが浮き出てきます。

シンクにひっかけたヘチマスポンジ

あとは水ですすいで干すだけです。私はシンクにひっかけて乾かし、1か月半~2か月くらいでへたってきたら、新しいものに交換しています。古いヘチマスポンジはシンクや洗面台、お風呂場などの掃除に使用して、最後まで使い倒せるのも魅力です。

●ヘチマスポンジはどこで買える?

キッチン用品売り場で、食器洗いスポンジなどと一緒に売られていることがあります。楽天やアマゾンなどでも購入できます。またメルカリでは、育てたヘチマをスポンジに加工して売っている人もいて、値段も手頃なので、チェックしてみてください。

●フライパンやまな板など、ゴシゴシ洗いたいときは「たわし」を

たわし

ヘチマスポンジはやわからかい繊維なので食器洗いに最適ですが、まな板やフライパン、鍋など、ゴシゴシ洗いたいところには、こちらも天然素材(シュロ、パームヤシなど)でできたたわしの方が向いていますので、併用するのがおすすめです。

昔から長く使われてきた「ヘチマスポンジ」は、現代の暮らしにもフィットして、一般的な食器洗いスポンジと変わらない使い心地です。また、環境にもやさしく安心して使えるので、ぜひ新しい年に試してみてくださいね。