その女性は家計や家事全般を担っていて、毎日の食事にしてもスーパーの安い日に食材をそろえて栄養バランスも考えた上で献立を決めていました。
なのにある日夫が突然「今日は料理するぞ!」と言い出し、スーパーで高い肉を買ってきてステーキを焼いたと。高いお肉をバターで焼いたものなので当然おいしくて子どもウケも抜群。それで「パパ料理うまい! 毎日つくって!」なんて褒められてご満悦の様子で、その女性は「マジで離婚してやろうか」と思ったそうです。
女性のイライラややるせなさは相当なものだったと想像しますが、一方で夫のほうはたぶん、女性が怒ったとしてもなにが悪かったのか本気でわからないと思うんです。いつもは食材にいくらかけていてそれが月額いくらになるのか、家計や栄養バランスのことを考えて毎日食事をつくり続けるとはどういうことなのか…そのあたり、夫はおそらくわかっていないですよね。
そういう背景を伝えながら男性と話し合ってみるのはいかがでしょう、というのが一応のアドバイスになりますが、女性からしたら「男のほうが主体的に自覚すべき問題でしょ」って話だと思います…。
――周りで離婚を考えている女性が増えています。この本でいう「人の話を聞かない男たち」や「謝らない男」、「何事も適当で大雑把な男」が多くて、夫婦なのに一人で戦っている感があるんです。ただ実際には経済的なことや将来への漠とした不安があって離婚にまで至らない場合も。 でも働き方改革で男性の残業が減って稼ぎが減ったり、リモートで家にいる時間が増えたりすると衝突が増え、いよいよ離婚件数が増えそうな気がします。もっと男性は危機感をもった方がいいと思うのですが、いかがでしょうか?ちょうど先日、3人の子どもをワンオペで育児しているという主婦の方の話を聞いたのですが、彼女は夫への絶望を理由に仕事を始めたと言っていました。つまり「いつでも離婚できるカード」をもっておきたいということですね。このように、「離婚するとなったらこう稼ぐ」「別居したらとりあえずあそこに逃げ込めばいい」など、お金や行き場などを考えておく。実際にそのカードをきらないまでも、逃げ場があるだけで健やかに過ごせると思うんです。
仮にこのような女性が増えているとしたら…やはり男性は危機感を抱くべきではないかと感じます。ある知り合い女性は、子ども2人の相手をしながら食事をつくったりと立って働いているときに、早く帰ってきた夫がソファで缶ビールを飲みながら鼻歌で『マリーゴールド』を歌っているのを見て本当に頭にきたと言っていました。あいみょんはなにも悪くないんですが(笑)。
今は共働き家庭が普通になっていますよね。「男性が外で働き、女性が家を守る」という価値観はもはや過去のものになりつつある。なのに実態としては家事や育児をしない男性が多いとなると、夫にイラつく女性がますます増えるかもしれませんね。もっと男性は危機感を持った方いいかも…。
◆インタビュー後編・
退職しても肩書にこだわる…話し合えない男たちとのつき合い方もぜひご覧ください!