家事や家族のこと、人づきあいなど、目まぐるしい毎日。やることに追われて、心が休まらないと感じることはありませんか? カナダ在住のブロガー筆子さん(現在60代)によると、そんなときに試してほしいのが「やらないことリスト」を書くことです。これはTo Doリストの逆で、やらなくてもいいことや手放してもいい思い込みを見つけていくもの。今回は筆子さんに「やらないことリスト」について教えてもらいました。すでにやっていることを少しずつ減らしていくことで日々の負担が驚くほど軽くなりますよ。

書き出す女性
「やらないことリスト」を書き出すことで…(画像はイメージです)

自分をラクにする「やらないことリスト」

やらないことリストは、読んで字のごとく、今後はやらないと決めたことを書き出すリストです。このリストは後ろ向きなものではなく、自分をラクにする選択を集めたものだと考えてください。

私たちは無意識のうちに「こうすべき」「ちゃんとやらなければ」と自分をしばります。そうした思い込みが、疲れの原因になっていることも少なくありません。たとえば、こんな思い込みはありませんか?

・部屋はいつもきれいにしておかなければいけない
・LINEやメールにはすぐ返事をしなければいけない
・子どもや夫を最優先に考えるべき

こうした考え方のなかには、状況や自分の体調に合わせて手放していいものがあります。

年齢とともに体力や集中力は衰えていくもの。年を重ねた今こそ、本当に必要なことだけにエネルギーを使えるよう、いつもの考え方や行動を見直しましょう。

“やらないこと”を書き出してみる

リストをつくるといっても、難しいルールはありません。紙のノートでもスマホのメモでもいいので、ただ書き出すだけ。「なんだか疲れるな」「本当はやりたくないな」と感じる行動や習慣を思い出してみましょう。

たとえば…
・天気に関係なく、毎日洗濯
・興味のない相手と何度もお茶
・夕食を毎回ゼロから手づくりしようと奮闘
・夜遅くまでスマホでニュースやSNSをチェック
・断りたいのに義理で行う近所づき合い

こんな風に、やめてみたら負担が減りそうなことはないか探してみてください。

やめることでうれしい変化が起こる

やらないことを書き出したら、実際になにかひとつやめてみましょう。すると、うれしい変化がいくつも起こります。

●時間のゆとり

これまで当然のように続けていた家事や習慣、つき合いを1つ減らすと、その分自分のために使える時間が増えます。

いつもよりゆっくりお茶を飲んだり、少しだけ横になる時間を確保できたり。ささやかなことでも、気持ちが満たされて疲れが和らぎます。

●落ち着いた気分

気持ちにも余裕が生まれます。がまんしてやっていたことを手放すと、それだけでほっとします。忙しくなくなれば、終わっていないことに対する焦りや自己嫌悪もありません。

SNSやニュースを追う時間を減らせば、情報に振り回されず、自分の内側に意識を向けやすくなるのも大きなメリットです。

●人間関係のストレスの減少

無理に相手に合わせたり、断れずに引き受けていたりしたことをやらないと決めると、肩の力が抜けます。長年、惰性でつき合っていただけの相手との距離を見直すのは、日々の幸福度を上げるのにとても役立ちます。

やらないことで、得られるのは自由と安心感です。自分らしいペースに戻ったなと、安らぎを感じることができるでしょう。