せっかくきれいに洗濯した黒い衣服に「白いカス」のようなものがついていた経験はありませんか? 衣類に付着すると、ササっと手では落としにくく、ストレスにも…。糸くずや洗剤の溶け残りと思われがちですが、元小学校家庭科教諭で、家事に関する著作を多くもつブロガー・よしママさんによると、じつは「石けんカス」がおもな原因なのだそう。今回はよしママさんに簡単にできる対応策を教えてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)衣類に付着した「白いカス」の原因は?
洗濯物に白いカスのような汚れが付着するのは、目のつまった生地や、撥水加工のされた生地、黒色や紺色など色の濃い衣類でよく見られます。
おもな原因には「石けんカス」が挙げられます。水道水に含まれるミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)が石けんの成分と反応し、「金属せっけん」と呼ばれる物質が形成され、これが白っぽい汚れとして衣類に残ることがあります。
次に挙げられる原因は「糸くず」です。洗濯中に衣類から出た繊維の一部が、糸くずフィルターでは取りきれず衣類に付着。とくに白いタオルの繊維は、濃色の衣類に付着すると目立ちます。
さらに、「石けん(洗剤)の溶け残り」が原因になることも。この場合、触るとぬるぬるとした感触があります。粉末タイプの洗剤を冷水で洗う寒い季節によくありがちで、純石けんの洗剤を使ったときに発生しやすいです。
加えて、フィルターの汚れや、洗濯槽自体についた汚れが衣類につくこともあります。洗濯槽の汚れは灰色っぽい汚れであることが多いです。
白いカスを防ぐ方法1:石けんカスの場合
まず、石けんカスが原因の場合は、「クエン酸」が入っている酸性タイプの柔軟剤を利用すると効果的です。また、家にあるクエン酸を直接使用する場合は、小さじ1程度のクエン酸を水で溶かし、柔軟剤投入口にセットすれば完了。
クエン酸は、衣類に残った石けんカスを中和するだけでなく、生地をやわらかくし、汗や生乾き臭などによるイヤなにおいを抑える働きがあります。市販品では、クエン酸入りで香りつきの物が売られていますよ。
ただし、クエン酸を使用する際には注意点があります。塩素系漂白剤と併用すると、有害な化学反応が起きる可能性があるため、絶対に一緒に使わないでください。また、クエン酸の入れすぎは、洗濯槽をさびさせる原因になるため、量にご注意ください。
白いカスを防ぐ方法2:糸くずの場合
糸くずの場合は、糸くずフィルターの定期的な清掃を行い、さらに洗濯槽内のつけおき掃除も実施すると効果的です。
また、洗濯時は水の量を多めにセットし、洗剤は必ず適量にすることも大切です。洗濯物はつめ込みすぎず、カスがつきやすい黒などの色の濃い衣類には目の細かい洗濯ネットに入れるのもポイントです。
なるべく白物と色物を分けて洗濯し、糸くずの出やすいタオルや白い衣類は、一緒に洗わないこと。
洗濯ネットも大きいサイズに大量に衣類をつめ込むのではなく、小さいサイズに1~2着ずつ入れると、内部までしっかり洗えて石けんカスが残りにくいです。すすぎ回数は2回以上にして、しっかり生地がすすげるようにしましょう。