災害が発生すると、在宅での避難生活を送るケースも少なくありません。いつ来るかわからない「そのとき」に備えて、平常時と災害時に使える備蓄とローリングストックが有効と語るのは、料理研究家で防災士の島本美由紀さん。今回、島本さんにローリングストックの利点と常備におすすめの食品リストを教えてもらいました。

備蓄食品
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ローリングストックを始めよう!

平常時にも災害時にも使える備蓄を実践するうえで、わかりやすく、有効的なのがローリングストックです。やり方を簡単に紹介しましょう。

ローリングストックとは、いつも使用している食品を少し多めに買いおきし、古いものから使って、その分を買いたすことで、常に新しく、十分な量の食品が備蓄できる方法です。

●ローリングストックの流れ

・備蓄……レトルトや缶詰、乾物など、いつも食べている長期保存が可能な食品を、少し多めに購入。残量がわかるように、種類ごとにキッチンに収納しておきます。

・食べる……いつもの食事で、賞味期限が残り少ない順番に消費します。結果的にあまり消費されないものは、ローリングストックからはずし、別のものと入れ替える見直しも。

・買いたす……消費して減った分を少し多めに補充します。まとめるより、日常的にこまめに買いたしておくほうがベター。気になる商品があれば、新たに加えてもOKです。

ローリングストックの利点4つ

ローリングストックをやることによって、次の4つのメリットがあります。

●1:選べる食品の幅が広い

防災用に特化した食品に比べ、缶詰やレトルト、乾物は種類が豊富。ロングライフ紙パックの豆腐や牛乳、紙パックの野菜の水煮などもあります。その分、防災用の食品よりも賞味期限は短いことが多いですが、ローリングストックならOK。

●2:備蓄してある場所を把握できる

いつもの食事で使う食品は、基本的にキッチンまわりに収納しておけば、備蓄場所を見失うことはありません。これは家族も同様。いざというときに、たとえば子どもだけでも、すぐに食品を見つけることができます。

●3:期限ぎれを防ぐことができる

いつも食べている食品なので、使い忘れがなく、賞味期限ぎれになることは、まずありません。子どもの成長や嗜好の変化で食べなくなった食品があっても、量が減らないのですぐにわかります。その場合は、食品の見直しを。

●4:慣れている食品を準備できる

大規模災害が起こった場合でも、いつも食べ慣れているものに近いものを口にできれば、いちばんのストレス軽減になります。防災用食品と違い、いつも食べているので食べ方に迷うこともあまりありません。

ローリングストックにまつわる疑問にお答え!

Q.いつ食べればいいですか?

A.賞味期限以内なら、いつ食べてもOK! いつものように、食べたいときに、食べてください。消費したらすぐに補充していくシステムなので、備蓄品がなくなる心配も不要です。ですが、年に数回見直すと食べ忘れを防げます。

Q.おすすめの食品はある?

A.要冷蔵の食品でなければ、基本、どんな食材でも大丈夫。ただし、賞味期限が半年以下の食品の場合、よほど頻繁に食べるものでなければ、ストックには適しません。家族が食べる頻度もチェックしましょう。

Q.栄養バランスを整えるには?

A.ロングライフ紙パックのジュース、乾燥野菜や海藻、缶ジュース、紙パックの野菜の水煮など、食物繊維やビタミン、ミネラルが摂れるものを加えておくと、安心です。これで栄養バランスを整えることができます。